2003 Fiscal Year Annual Research Report
重合反応場における生成高分子の高次構造制御を基盤とする超分子化合物創製法の開拓
Project/Area Number |
14550830
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
門川 淳一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30241722)
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Keywords | 重合反応 / 超分子化合物 / 高次構造 / 包接錯体 / ゲスト高分子 / アミロース |
Research Abstract |
すでに、高分子化合物の高次構造を制御する新規な方法として重合反応と結びつけ方法を開発している。この手法では、アミロースのようなホスト高分子を生成する重合反応をゲスト高分子存在下で行うことで、重合反応の進行とともに二つの高分子鎖から成る超分子が生成するというものである。本研究者は、このような重合を"つる巻き重合(Vine-Twining Polymerization)"と名づけ、新規な超分子化合物創製法として提唱している。本年度は、この研究をさらに発展させて、以下のような成果を得た。 ゲスト高分子としては、ポリエーテル類が良好であることを見出していたが、ポリエステル類もゲスト高分子として挙動し、アミロースと包接錯体を形成することを明らかにした。また、生成した包接錯体中のポリエステルの結晶構造や性質が、単独のポリエステルに比べて大きく異なっていることも分かった。すなわち、超分子を形成することによって、高分子の性質を変えることができ、新規な材料創製への発展に応用できると考えられる。 さらに、新しいゲスト高分子として、より複雑な構造を有するポリ(エステル-エーテル)を用いたところ、アミロースと包接錯体を形成することを見出した。また、この包接錯体の形成の過程において、ゲスト高分子のなかで、ある特定の分子量域のもののみが包接錯体を形成していることも分かり、選択的な超分子形成能を有することが明らかとなった。 以上のような手法をさらに発展させて、二種類の重合反応の共存下での包接錯体(超分子)形成についても検討した。すなわち、アミロースを生成する重合反応とゲスト高分子(この場合はポリエステル)を生成する重合反応を同一の反応器内で並列に行うことで、アミロースとポリエステルから成る包接錯体が得られることが観測された。この"並列重合"の概念による超分子形成の手法をさらに発展できれば、超分子化学の分野に大きく寄与できると思われる。 今後、本研究で見出した超分子化合物創製の新手法は、新しい機能性材料開発の一つの方法論として確立されることが期待できる。
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Research Products
(1 results)