2004 Fiscal Year Annual Research Report
重合反応場における生成高分子の高次構造制御を基盤とする超分子化合物創製法の開拓
Project/Area Number |
14550830
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
門川 淳一 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30241722)
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Keywords | 重合反応場 / 超分子 / 高次構造 / アルギン酸 / カチオン性モノマー / イオン結合 |
Research Abstract |
平成14年度、15年度において見出した重合反応場における生成高分子の高次構造制御手法をさらに発展させて、他重合反応場へと展開させた。すなわち前年度までは、アミロースを生成する重合反応場に着目し、アミロースを含む超分子化合物の創製手法を開拓したが、本年度は、この化合物以外の高分子化合物へと発展させた。具体的には、イオン結合形成による高次構造制御を利用した超分子の創製を検討した。アニオン性の多糖であるアルギン酸の水溶液に対してカチオン性の重合性モノマーを加え、イオン結合を形成させた後、重合開始剤を添加し重合を行った。不溶性の生成物が得られ、これを種々の測定手段を用いて解析したところ、アニオン性とカチオン性の高分子がイオン結合を形成してお互いに網目状に複合化したものであることが分かった。この生成物の元素分析により、両高分子間でほぼ完全にイオン結合を形成していることが示唆された。このように完全にイオン結合を形成した複合化合物は、両高分子の単純な混合では得られず、本手法は、このような超分子化合物を得る新規な手法である。また、ここで得られた複合化合物はフィルム化することができ、その表面状態を走査型電子顕微鏡によって観察した。その結果、両者の混合比を様々に変えることによってフィルムの表面状態が大きく変化することが分かった。以上のように重合反応場において、イオン結合を利用した新しい高次構造を有する超分子化合物を得る手法を開拓することができた。
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Research Products
(2 results)