2003 Fiscal Year Annual Research Report
含ヘテロ元素高分子の発現する分子内・分子間相互作用の解明
Project/Area Number |
14550842
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
笹沼 裕二 千葉大学, 工学部, 助教授 (30205877)
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Keywords | 分子内・分子間相互作用 / コンホメーション / ポリエーテル / ポリイミン / ポリシラン / 溶融高分子 / 液晶 |
Research Abstract |
1.ポリエチレンイミン(PEI)のコンホメーション解析 PEIの単量体モデル化合物についてNMRのビシナル結合定数の解析を行い、分子軌道法計算との比較で分子内水素結合の存在を示した。さらに、PEIの無水結晶の分子軌道法計算も行った。 2.溶融状態・結晶化初期段階のポリエーテルにみられる分子間相互作用の解明 直鎖状ポリエーテルの結晶の形成機構を検討した。部分重水素化した化合物を合成し、赤外吸収スペクトルの測定でC-O、C-C結合のコンホメーションを個別に調べ、分子鎖を近接させ分子軌道法計算を行い、赤外吸収スペクトルに対するシミュレーションで分子鎖の相対配置とコンホメーションの特徴を調べ、分子動力学計算で溶融状態の分子間相互作用を調べた。 3.高分子液晶モデルのコンホメーション解析 単量体、2量体、4量体液晶モデル化合物をネマチック液晶に溶解させ、その混合系の相転移挙動と液晶相安定性の解析、重水素化した化合物を合成し、重水素NMR四極子分裂幅の測定を行い、これまでの研究で開発したシミュレーション法を改良することでコンホメーション解析に成功した。さらに、オクタン酸ナトリウム/1-ブタノール/水の3成分系リオトロピック液晶、ネマチック液晶に溶解した1-ブタノールのコンホメーション解析も行い、液晶場におけるアルコールのコンホメーション特性を明らかにした。 4.ポリシランのコンホメーション解析 分子動力学計算と統計力学を組み合わせ、ポリジブチルシラン、ポリジヘキシルシラン、ポリメチルプロピルシランのコンホメーション解析を行い、光散乱実験と整合する特性比を得た。側鎖間の立体障害が主鎖の剛直性を生じ、メソフェーズを形成すること、溶解性の相違は側鎖の配位エントロピーの大小に起因すること、光学特性とコンホメーションの相関性を明らかにし、ポリシランの分子設計指針を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yuji Sasanuma: "Conformational Analysis of Poly(di-n-butylsilane), Poly(di-n-hexylsilane), and Poly(methyl-n-propylsilane) by a Rotational Isomeric State Scheme with Molecular Dynamics Simulations"J.Phys.Chem.B. 107. 11852-11860 (2003)
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[Publications] Yuji Sasanuma: "Conformational Peculiarities of Alcohols Incorporated in Lyotropic and Thermotropic Liquid Crystals"Langmuir. 20. 665-672 (2004)
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[Publications] Yuji Sasanuma: ""Intramolecular Interactions of Polyethers and Polysulfides, Investigated by NMR, Ab Initio Molecular Orbital Calculations, and Rotational Isomeric State Scheme : An Advanced Analysis of NMR Data", In Annual Reports on NMR Spectroscopy Vol.49 ; Web, G.A., Ed"Academic Press (Elsevier Science) : Oxford, UK. 68 (2003)