2003 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素系ポリマー/有機溶媒間相互作用とゾル-ゲル転移
Project/Area Number |
14550852
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡部 勝 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (00121228)
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Keywords | ゾル-ゲル転移 / 熱可逆性ゲル / ポリ(フッ化ビニリデン) / 高分子 / 溶媒間相互作用パラメーター / Flory-Hugginsパラメーター / コンホメーション / ゲル化過程 / ゲル形成能 |
Research Abstract |
ポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)をケトンやラクトン類に高温で溶解させた後、室温近傍で冷却すると、溶液中のポリマーは特定のコンホメーションを形成しながら結晶化し、系全体はやがてゾル-ゲル転移を引き起こす。この研究ではPVdFのゲル化現象を、高分子/溶媒間の相互作用パラメーター(Flory-Hugginsのχパラメーター)に着目し、この熱力学的パラメーターの温度依存性を測定することにより、より一般的に検討した。その結果、次の結論が得られた。 1)PVdF/ケトン系やPVdF/ラクトン系のように、χパラメーターの値が0.5近傍となる系では、熱可逆性ゲルへ転移する。 2)PVdF/ヘキサン系やPVdF/m-キシレン系のように、χ>>0.5となるような系では、マクロな固-液分離を引き起こしゲル化しない。 3)PVdF/DMA系、PVdF/NMP系のように、χ<<0.5となるような系では、一相溶液を形成しゲル化しない。 そこで、次にχの値が0.5近傍の値を示すPVdF/ケトン系、PVdF/ラクトン系に着目し、これらの溶媒中でのPVdF鎖のコンホメーション形成をin situ IR法で追跡したところ、次のことが明らかとなった。 a)系の温度低下につれ、χの値が0.5を横切ってわずかに大きくなるようなシクロヘキサノン(ケトン類)を溶媒に用いると、PVdF鎖は繊維周期の短いTGTG'のコンホメーションを形成しながら結晶化し、直ちにゲル化していく。 b)温度低下につれ、χの値が0.5に漸近するようなγ-ブチロラクトンを溶媒に用いると、PVdF鎖は繊維周期の長いTTTGTTTG'のコンホメーションを形成しながら結晶化し、非常にゆっくりゲル化していく。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masaru Okabe: "The Flory-Huggins Interaction Parameter and Thermoreversible Gelation of Poly(vinylidene fluoride) in Organic Solvents"Polymer Journal. 35. 798-803 (2003)
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[Publications] 瀧川 裕貴: "ポリブチレンサクシネートの有機溶媒中でのゾル-ゲル転移"高分子論文集. 61. 186-191 (2004)
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[Publications] 有岡 由夏: "ゲル電解質としてのポリ(フッ化ビニリデン)/有機溶媒系ゲルのゲル化過程とモルホロジー"神奈川工科大学研究報告. B-27. 90-91 (2003)
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[Publications] 有岡 由夏: "ポリ(フッ化ビニリデン)/有機溶媒系ゲルのゲル化とモルホロジー"神奈川工科大学研究報告. B-28. 66-67 (2004)