2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550856
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
嶋田 有三 日本大学, 理工学部, 教授 (90060235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 賢治 日本大学, 理工学部, 講師 (90281691)
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Keywords | 最適誘導 / 適応制御 / 月面着陸機 / 垂直着陸 / 軟着陸 / 最少燃料 |
Research Abstract |
研究は,昨年度に引き続き次の2点に分けて実施された. (1)最適誘導則と適応制御則の開発:最適解を得るための低高度からの誘導側を本年度は高々度(月周回軌道)からの誘導側にまで拡張した.その結果,月の自転による着地点の移動の影響を考慮に入れる必要が新たに生じたが,自転の影響を逐次フィードバックする形に修正することで解決した.また,昨年度の任意初期条件に加えて,本年度は新たに終端値を任意に指定できるように修正し,日本航空宇宙学会主催の「宇宙科学技術連合講演会」にて発表した.さらに,従来は着陸船の運動は質点と仮定して誘導則が導かれていたが,慣性モーメントを有する剛体とみなしてダウンレンジ制御に加えて姿勢制御則も新たに開発し,エンジン故障による不釣合いモーメントを自動的に打ち消す姿勢制御則を付加し,シミュレーション結果を韓国慶州で開催されたICCAS(自動制御に関する国際会議)にて発表した. (2)最適誘導アルゴリズムの実験的検証:ディジタル制御の模擬実験として,昨年度に引き続き機上計算機を模擬するボード計算機(dSpace社製DS1104)と制御対象を模擬するボード計算機(同DS1104)の2枚を,AD,DAコンバータを介して結合した並列計算機実験を実施した.このとき,昨年度考慮に入れなかったエンジン動特性による時間遅れの影響,センサノイズ,AD,DA変換を含む計算処理に要する時間遅れ(無駄時間)を模擬することで,誘導制御則の有効性を検証した.さらに,無駄時間要素による影響の解析を行った.その結果,着陸船が着陸点に到達する瞬間,システムが不安定化する現象について非線形フィードバックゲインの更新式分母にタイムツーゴー(time to go)が含まれているため,着陸地点近傍ではフィードバックゲインが無限大に近づき,ゲイン余裕と位相余裕が少なくなることにその原因があることを解明した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 野村享右, 内山賢治, 嶋田有三: "月面着陸機の誘導制御アルゴリズムの検証"第47回宇宙科学技術連合講演会 講演集. 631-636 (2003)
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[Publications] Akio Abe, Kenji Uchiyama, Yuzo Shimada: "Proceedings of International Conference on Control, Automation and Systems"Proceedings of International Conference on Control, Automation and Systems. 531-536 (2003)