2002 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙用観測機器の冷却に用いる超流動ヘリウムの自励振動の解明と伝熱促進効果の応用
Project/Area Number |
14550857
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
木村 誠宏 高エネルギー加速器研究機構, 低温工学センター, 助手 (10249899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正秀 筑波大学, 機能工学系, 教授 (40111588)
仲井 浩孝 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (00188872)
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Keywords | 超流動ヘリウム / 超伝導温度センサー / 光学窓 / 可視化法 / シュリーレン法 / ガスヘリウム界面 / 伝熱促進効果 / 透過式薄膜ヒーター |
Research Abstract |
平成14年度前半に高感度センサーと発熱機構を組み合わせたテストセクションの設計と製作を行い、超流動ヘリウムクライオスタットへの組み込みを行った。また、テストセクション取り付けのため、超流動ヘリウムクライオスタットの改造作業を行った。 テストセクションが組み込まれた超流動ヘリウムクライオスタットの性能を以下に示す。 (1)最低到達温度1.7K (2)温度制御範囲1.7K~2.16K(ラムダ線温度)内の任意 (3)テストセクション圧力制御範囲2.3kPa~101kPa(絶対圧力) このテストセクションには、下記の機能を持たせた。 (1)超伝導温度センサーを使った温度場測定機能 (2)高感度圧力センサーを使った音場測定機能 (3)透過式薄膜ヒーターを使った沸騰現象の透過による可視化機能 平成14年度後半にテストセクションを設置した超流動ヘリウムクライオスタットの冷却試験を行い、目標としたクライオスタットの性能を確認した。また、シュリーレン法とシャドウグラフ法を用いた沸騰現象の観測法を確立し、テストセクションに設置した超伝導温度センサーを用いて加熱ヒーター表面上の温度場の測定を行った。 この測定から、透過式薄膜ヒーター上に形成される沸騰膜の挙動と圧力および温度振動の測定が可能であることを確認したが、センサー信号に混入する雑音対策を必要とすることが判明した。 次年度以降、センサー信号のS/N比の改善を行い、ヒーター表面上の熱輸送ついて詳細な測定データを得る予定である。また、この測定を通じて、ヒーター表面の流体の挙動による伝熱促進効果への影響について新たな知見を得ることができると考えている。
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