2003 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙用観測機器の冷却に用いる超流動ヘリウムの自励振動の解明と伝熱促進効果の応用
Project/Area Number |
14550857
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
木村 誠宏 高エネルギー加速器研究機構, 低温工学センター, 助手 (10249899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正秀 筑波大学, 大学院・機能工学系, 教授 (40111588)
仲井 浩孝 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (00188872)
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Keywords | 超流動ヘリウム / 超伝導温度センサー / 可視化観測 / シャドーグラフ / 透過式薄膜ヒーター / 表面張力波 |
Research Abstract |
本研究は、He IIp中の膜沸騰と熱輸送の現象を可視化法により直接観測することで、ヒーター表面上の流体の挙動による伝熱促進効果への影響を調べることを目的としている。平成15年度は、改良を行ったテストセクションと透過式薄膜ヒーターを用いてHe IIp中の膜沸騰時におけるより詳細な可視化観測を行った。 He IIpの加圧圧力がP=26.6kPaに加圧された場合の可視化観測の結果から、この条件での沸騰の状態はヒーター面上の蒸気の動きがヒーターの四隅から中央に集まるような挙動となることが観測された。更に、ヒーター面上の対角線上と中央部分を除く部分で,縞模様が観測された.この縞模様は,可視化の結果より約0.17m/secの速度で中央に向かって動いていることが分かった。 この縞模様について次式の表面張力波の式から ν=√<(λg)/(2π)+(2πσ)/(λρ)> (1) この条件での伝播速度を求めた.ここで、λは波長、gは重力加速度、σは表面張力係数、ρは密度である。 その結果、伝播速度は約0.15m/secとなり、可視化観測による結果とほぼ一致したことから,この縞模様は表面張力波であると結論した.また、この表面張力波での蒸気の挙動は、非常に安定した挙動を示すことを理解した。 加圧型超流動クライオスタットと可視化法を用いて、He IIp中の膜沸騰の実験的研究を行った。この研究により,加圧圧力が比較的高い条件では,沸騰の状態が比較的安定し,かつヒーター面上で蒸気の挙動が活発化している領域も小さいことが分かった。今後、蒸気膜の形状がこのような特殊な形状になる原因を解明していく予定である。 平成15年度の研究成果は、2003年米国で開催された低温国際会議(CEC)で報告されるとともに、Advances in Cryogenic Engineering Vol.49に掲載されることが決定している。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Kozawa, N.Kimura, M.Murakami, I.Yamamoto: "Variation of Subcooled Film Boiling State in He II with the Pressure"Advances in Cryogenic Engineering. 49巻. (2004)