2003 Fiscal Year Annual Research Report
タイから導入されたサヤダイコンの低温発芽性要因の解析
Project/Area Number |
14560007
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野村 和成 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (90139048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 理恵子 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (90307819)
池橋 宏 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50193222)
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Keywords | Raphanus sativus / 低温発芽性 / 種子休眠 / アブシジン酸合成 |
Research Abstract |
サヤダイコンはインドから東南アジアで栽培されている.このうち,タイ北部で栽培されるサヤダイコン(現地名:パッキフッド)は若い莢が食材とされている.本研究では,パッキフッドならびに日本で栽培されるダイコン品種を用いて,種子形成期から発芽期における遺伝子発現のパターンと発芽の低温に対する反応を解析することにより,低温発芽能に関連する遺伝子を検索する. 低温ストレス条件下でのダイコン発芽種子由来のcDNAライブラリーからABA合成のキー酵素である9-cis-epoxycarotenoid deoxygenase合成遺伝子をクローニングした.低温発芽性に関して明らかな差異の認められるサヤダイコンと日本のダイコン品種を用いてその発現について解析した.全長cDNAは,2338bpからなり,5'-flanking regionには,1つのpolyadenylationコンセンサス配列が認められた.コード領域は,1791bpの単一のORFであり,予想されるアミノ酸配列は597残基,65.6kDaのポリペプチドと計算された,発現は両品種において,種子形成期間,発芽直後に低温ストレスを受けた時期にその発現が認められた. パッキフッドおよび聖護院の5'上流の未知配列を比較するために,TAIL-PCRを行った.それぞれの品種より抽出されたゲノムDNAをテンプレートとし,5'-RACEで得られた聖護院NCED遺伝子配列の上流域でプライマーを設計し,上流域特異的16marプライマーと組み合わせてPCRを行った.その結果約0.4kbpのバンドが得られた.このバンドの塩基配列を決定した.上流域0.4kbの範囲で,聖護院およびパッキフッドのDNA配列には5塩基の違いが検出された).聖護院のORFより404bp上流はMYB遺伝子の認識配列(CNGTTR)(Urao et al.)が見いだされたが,聖護院のTがパッキフッドにおいてCに置換されていた.
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