2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマーカーを利用した選抜方法の効率評価と最適化に関する研究
Project/Area Number |
14560008
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
米澤 勝衛 京都産業大学, 工学部, 教授 (90026542)
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Keywords | DNAマーカー / マーカー選抜 / MBS : Marker-based selection / 選抜効率 / 世代促進育種 / 倍加半数体育種 / 自殖性植物 |
Research Abstract |
自殖性植物における2つの慣行的育種方法、すなわち世代促進集団育種法(GAB)と倍加半数体育種法(DHB)の効率化を計る上で、優良遺伝子との連鎖がわかっているDNAマーカーによる選抜(MBS : Marker-based selection)を組み込んで用いることが有効であるか否かを(目的とする優良遺伝子型の選抜確率の増減で判定)コンピュータシミュレーションによって検討した。GABの場合は、通常無選抜で経過するF_2とF_3集団にMBSを適用した場合の効果を検討し、以下の結論を得た。MBSの効果は、育種目標に関与する遺伝子座数と利用できるマーカーの数に依存し、大まかに言って、前者が12個以上でそのうちの数個以上についてマーカー選抜が可能であれば顕著な効果が期待できる。この場合、MBSの対象であるF_2とF_3集団のサイズがたった100個体くらいであっても、2000個体で世代促進のみを行う通常のGABよりも効率的である。MBSの効果は、優良遺伝子の相反連鎖が多いほど増加し、相引連鎖が多いほど減少する。現実に考えられるほとんどの場合、共優性マーカーのほうが優性マーカーよりも効果的であるが、関与する遺伝子座数が比較的少なくしかも優良遺伝子の多くが相引連鎖している場合は、優性マーカーのほうが効果的である。共優性マーカーを数個以上用いて選抜を行う場合は、ホモ個体だけでなく、ある程度ヘテロ性の高い個体も合わせて選抜することが大切である。MBSをDHBと組み合わせて用いた場合はGABの場合ほど効果的ではないが、関与する遺伝子座数が多くかつ優良遺伝子の多くが互いに相反連鎖している場合には、作出直後の倍加半数体幼個体の中から有望遺伝子型個体を選び出す場面、あるいは、F_2幼個体の中から倍加処理に適した個体を選び出す場面などで、MBSを有効な補助手段として用いることができる。
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Research Products
(4 results)