2003 Fiscal Year Annual Research Report
サツマイモの塊根形成における糖シグナルの役割とインベルターゼによる制御
Project/Area Number |
14560013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
斉藤 和幸 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00215534)
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Keywords | サツマイモ / 塊根形成 / 糖シグナル / インベルターゼ / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
糖は細胞増殖やデンプン合成のための材料やエネルギー源として利用されるだけでなく、細胞増殖やデンプン合成を進めるシグナル分子としての働きが注目されている。ソラマメでは糖が種子形成における胚の分化の方向を決定し、ショ糖に対してヘキソースの割合が高いと胚細胞は増殖する方向へ進み、ショ糖の割合が高いと胚細胞は貯蔵細胞へ分化することが報告されている。細胞壁結合型インベルターゼはショ糖を分解してヘキソースを生成する反応を触媒する酵素である。本研究ではサツマイモの塊根形成における細胞壁結合型インベルターゼの役割を明らかにするため遺伝子の発現様式を検討した。 サツマイモの塊根より細胞壁総合型インベルターゼのcDNAを単離し、IbCIN1と名付けた。IbCIN1遺伝子の器官別の発現は地下部の細根、塊根及びいも根でのみ認められた。また、IbCIN1遺伝子の発現レベルは塊根形成にともなって著しく低下した。次に、in situハイブリダイゼーション法により塊根内でのIbCIN1遺伝子発現の組織、細胞分布を検討したところ、主にコルク皮層の細胞で遺伝子が発現されていた。また、細胞分裂の活発な第一次形成層と貯蔵細胞である師部柔細胞及び木部柔細胞との間でIbCIN1遺伝子の発現に大きな違いは認められなかった。さらに、塊根形成能力の優れたサツマイモ品種であるコガネセンガンと塊根形成能力の劣る中国25号についてIbCIN1遺伝子の発現レベルを比較したところ中国25号と比べてコガネセンガンで高かった。 以上の結果より、IbCIN1連伝子はコルク皮層の形成に関わっており、塊根形成能力に重要であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 門脇正行, 窪田文武, 齋藤和幸: "ADPグルコースピロホスホリラーゼとサツマイモの塊根生産"RADIOISOTOPES. 第51巻. 556-557 (2002)
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[Publications] 井上真理, 松井理奈, ナスリン スタナ, 齋藤和幸, 福山正隆: "H-NMRによるサツマイモ塊根の低温感受性のモニタリング"日本作物学会紀事. 第71巻別号1. 100-101 (2002)
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[Publications] 房安聡司, 齋藤和幸, 大久保裕行: "サツマイモ(Ipomoea batatas Lam.)の高親和性硝酸イオントランスポーターのcDNAクローニングと発現解析"日本作物学会紀事. 第71巻別号1. 240-241 (2002)
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[Publications] 齋藤和幸, 大久保裕行, 岩永圭子, 房安聡司, 福田健太, 窪田文武: "サツマイモ(Ipomoea batatas Lam.)のシンク器官におけるインベルターゼとスクロースシンターゼ遺伝子発現解析"日本作物学会紀事. 第71巻別号2. 66-67 (2002)
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[Publications] 福田健太, 齋藤和幸, 中村和代, 佐藤あずさ, 大久保裕行, 房安聡司: "サツマイモ(Ipomoea batatas Lam.)に存在する2種類の細胞壁結合型インベルターゼ遺伝子の発現解析"日本作物学会紀事. 第72巻別号1. 304-305 (2003)
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[Publications] 齋藤和幸, 房安聡司, 大久保裕行, 福田健太, 窪田文武: "サツマイモ(Ipomoea batatas Lam.)における高親和性硝酸イオントランスポーター(IbNRT2)遺伝子の発現制御に由する研究"日本作物学会紀事. 第72巻別号2. 406-407 (2003)