2003 Fiscal Year Annual Research Report
そバの生育、収量構成および品種生態に及ぼす環境の影響
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14560016
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
道山 弘康 名城大学, 農学部, 教授 (50167665)
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Keywords | ソバ / Fagopyrum esculentum Moench / buckwheat / ジャスモン酸 / 矮化剤 / 日長時間 / 温度 / 虫媒 |
Research Abstract |
ソバの生育収量構成および品種生態に関して以下のことが明かになった. 1)播種期の影響:夏型と秋型の品種間差異の著しい夏栽培を行い,ジャスモン酸メチル(JA-Me)とGA合成を阻害するスミセブンを出芽直後に施した.しかし,成長経過と開花における品種の特徴に変化が見られず,JAとGAおよびそれらの相互作用がソバの品種生態に関係していないことが明らかになった.今後は未知の物質の探索も含めて検討する必要がある. 2)温度の影響:播種後14日間の高温によって,胚軸の伸長が促進されたが,露地移動後に伸長速度が低下して下位節間が短縮した.初花節が上昇して開花が遅れ,咲き上がり速度が低下し,主茎の花房数が増加し,伸長期間が延長して主茎が長くなり,生育初期の温度がその後の成長にかなり影響した.また,側枝の長さや花房数には影響が小さかったが,初花節上昇で側枝数が増加し,花房あたり子実数は減少した.出芽直後の矮化処理による胚軸の伸長抑制は小さかったが,第1〜第3節間の抑制が著しく,特に高温区では著しかった.また,主茎,側枝ともに花房数と花房あたり子実数が増加し,高温の悪影響を補償した. 3)日長時間の影響:13〜16時間の日長変化によって過去の研究と同様の成長反応が観察されたが,花房の枝分れ,花房の長さ,花房あたり小花房数が長日によって増加することが新たに明らかになり,これらの特徴を持つカナダの品種も日本の秋栽培環境では日本の品種と同様になることがわかった.日長変化に伴う成長パラメータの変化の様相はパラメータの種類によって異なった.夏型秋型の品種間差異が明確なパラメータは(1)主茎の伸長経過,(2)開花始期と初花節,(3)咲き上がり速度,(4)子実数と結実率であり,4種に分類された. 4)訪花昆虫の影響:昨年同様,飛来型昆虫だけでも受粉が十分であり,歩行型昆虫だけでは通常の約50%の受精率と結実率を示した.しかし,網の遮光効果を検討する必要が考えられた.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Michiyanma, M.Arikuni, T.Hirano, H.Hayashi: "Influence of day length before and after the start of anthesis on the growth, flowering and seed-setting in common buckwheat (Fagopyrum esculentum Moench)"Plant Production Science. 6(4). 235-242 (2003)