2003 Fiscal Year Annual Research Report
スカシユリ花弁におけるアントシアニン色素の発色パターンを制御する遺伝子の同定
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14560022
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中務 明 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (40304258)
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Keywords | アントシアニン / スカシユリ / 調節遺伝子 |
Research Abstract |
スカシユリの花色に関して、交配親の選択や交雑個体の選抜など育種への応用を目的として、アントシアニン着色の調節遺伝子をSuppression Subtractive Hybridization(SSH法)で単離することを試みた。 (1)花弁のアントシアニン着色 植物材料として、全く着色していないものと完全に着色している発育段階のスカシユリ'モントレー'花弁を用いた。Hot borate法により、全RNAを抽出し、oligo-dTカラムでmRNAに精製した。このmRNAを逆転写し、cDNAを合成後、二本鎖cDNAにした。制限酵素処理・アダプターの付加を行い、2種の材料由来の遺伝子プールをハイブリダイゼーションした。SSH後、さらにMyb遺伝子に対する縮重プライマーを用いてPCR増幅した。TAクローニング後、予想サイズ200bpのクローンを3個選抜し、塩基配列を決定した。2種類のイオントランスポーターと1種類のDNAヘリカーゼに対し、それぞれ66%と75%の相同性を示した。 (2)斑点形質について 植物材料は斑点(アントシアニンの着色した)を持つものと持たないものを用いた。SSH・TAクローニングし、13クローンを塩基配列決定した。Blastxで解析すると、9個のクローンが既知の遺伝子と相同性を示した。形態形成もしくはアントシアニン合成関連遺伝子として、キンギョソウのMyb様タンパク305とユリのLhMybに、それぞれ65%と93%の相同性を示した。今後全鎖長をクローニングし、その発現様式を調べる。
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