2004 Fiscal Year Annual Research Report
スカシユリ花弁におけるアントシアニン色素の発色パターンを制御する遺伝子の同定
Project/Area Number |
14560022
|
Research Institution | Shimane Universitiy |
Principal Investigator |
中務 明 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (40304258)
|
Keywords | アントシアニン / スカシユリ / 調節遺伝子 |
Research Abstract |
スカシユリの花色に関して、交配親の選択や交雑個体の選抜など育種への応用を目的として、アントシアニン着色の調節遺伝子をSuppression Subtractive Hybridization(SSH法)で単離・発現解析した。 実験1 アントシアニン着色を制御する候補遺伝子の単離 昨年度、植物材料として斑点(アントシアニンの着色した)を持つ花被と持たない花被を用いたSSHにより、キンギョソウのMyb様タンパク305とユリのLhMybに、それぞれ65%と93%の相同性を示す遺伝子が単離できた。今年度は、前者の遺伝子を候補遺伝子として全鎖長をクローニングするため、RACE-PCRを行った。393bpのコード領域と207bpの3'非翻訳領域を含む600bpの遺伝子断片が単離できた。この遺伝子をLhMyb2と命名した。LhMyb2は単子葉のユリLhMybやデンドロビウムMyb9とそれぞれ65%と71%の相同性を示した。 実験2 LyMyb2の発現解析 ‘モントレー'の花糸・葯・花柱・子房・葉・茎・りん片を用いて器官特異的な発現様式を調べると、アントシアニン着色した花器官(花糸・葯・花柱)において強く発現し、他の栄養器官とアントシアニンを生成させたりん片ではシグナルが検出できなかった。‘モントレー'花被の発育ステージ別の発現を調べると、着色していないあるいは着色直後のステージでは検出できなかったが、完全に着色したあるいは開花直後のステージで強いシグナルを検出できた。アントシアニンを生成しない‘コネチカット・キング'では開花直後でもLhMyb2は発現していなかった。 以上の結果より、アントシアニン着色した花器官特異的な発現を示すMybが単離できたと考えられ、スカシユリの育種選抜に利用できると考えられた。
|
Research Products
(1 results)