2004 Fiscal Year Annual Research Report
青果物の活性酸素消去能を利用した最適(MA)貯蔵条件検索法の開発
Project/Area Number |
14560028
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
今堀 義洋 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (40254437)
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Keywords | 低酸素障害 / ピッティング / オフフレーバー / 異臭 / アルコール発酵 / ピルビン酸 / コハク酸脱水素酵素 / ニラ |
Research Abstract |
20種類の青果物における低酸素障害の様相について、貯蔵酸素濃度を変えて貯蔵して調査した。0%O_2では全ての青果物で低酸素障害が起こり、貯蔵中障害の程度が進展した。ピッティングがオクラ、ナス、キュウリで観察され、変色はニラ、カリフラワー、ホウレンソウ、ナス、洋ナシで認められた。組織の水浸状化はニラ、カリフラワー、ホウレンソウ、イチゴ、バナナ、洋ナシで発生した。オフフレーバーと異臭については全ての青果物で認められ、0%O_2下でピーマンは1日、ナスは3日、ナシは4日、カキは7日、ブロッコリーは1日に、追熟処理バナナでは0%O_2下で1日、1%O_2下で2日に、トマトでは0%O_2下で1日、1%O_2下で3日にそれぞれ発生が認められ、その程度はその後経時的に増加した。それゆえに、オフフレーバーと異臭が青果物の最も顕著な低酸素障害であり、それらの発生が青果物の低酸素に対する耐性を規定する要因となることを見出した。 次に、ニラを高二酸化炭素と空気との組合せによる貯蔵ガス条件下で貯蔵し、品質と呼吸代謝の変化を調査した。30%CO_2下で5日以降に異臭が発生したが、高二酸化炭素処理ではいずれもクロロフィルの減少と遊離アミノ酸の増加を抑制した。アルコール発酵については30%CO_2下で5日以降にエタノール含量のみ増加したが、アセトアルデヒド含量や酵素活性に変化はなく、それ以外の処理区も貯蔵中変化はなかった。しかし、高二酸化炭素処理では貯蔵中のピルビン酸含量の一時増加が認められ、その程度は二酸化炭素の処理濃度に比例した。一方、コハク酸脱水素酵素は高二酸化炭素処理により活性が抑制され、その程度は処理濃度に比例した。以上のことから、高二酸化炭素処理でニラの黄化は抑制されるが、30%CO_2処理では呼吸代謝に著しい変動をもたらすことが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)