2002 Fiscal Year Annual Research Report
在来のアブラムシ寄生性ツヤコバチを生物農薬として実用化するための基礎的研究
Project/Area Number |
14560042
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
高田 肇 京都府立大学, 農学研究科, 教授 (00046484)
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Keywords | チャバラアブラコバチ / キアシアブラコバチ / クロスジアブラコバチ / アブラムシ / ツヤコバチ / 生物農薬 / 大量増殖法 / 休眠性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、在来のアブラムシ寄生性ツヤコバチ(アブラコバチ)を生物農薬として利用するために、優良な種/系統を選抜し、大量増殖法および保存法を検討するとともに、有効性について実証試験を行なうことである。 1.材料の探索および累代飼育系統の確立 チャバラアブラコバチAphelinus saychis(以下、チャバラと略記)の京都、徳島および高知個体群、キアシアブラコバチA. albipodus(キアシ)の京都個体群ならびにクロスジアブラコバチA. maculatus(クロスジ)の京都個体群の累代飼育系統を確立した。 2.大量増殖法の検討 チャバラ、キアシおよびクロスジの大量増殖用の代替寄主としてエンドウヒゲナガアブラムシ(寄主植物:ソラマメ)が、寄主としての適性度と生産効率から好適であることが分かった。 3.保存法の検討 チャバラとクロスジは成虫休眠、キアシは幼虫(前蛹)休眠することを確認した。チャバラの京都と徳島個体群間には休眠性に差はないが、高知個体群は休眠性がやや低い傾向が認められた。 4.防除効果実証試験 京都府立大学農学部付属下鴨農場の3棟の小型ビニールハウスにおいて、昨年の秋作トマトでチャバラ(京都個体群)とキアシを放飼してチューリップヒゲナガアブラムシの防除効果を調べ、両種のアブラムシ密度抑制効果を認めた。本年の春作トマトでも放飼の密度と方法をかえて同様の試験を行なう予定である。
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