2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560044
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
陶山 一雄 東京農業大学, 農学部, 教授 (10078181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 寛光 東京農業大学, 農学部, 助教授 (20172752)
澤柳 利実 東京農業大学, 農学部, 助手 (90372987)
有馬 忍 大分きのこ研究指導センター, 主査
村上 康明 大分きのこ研究指導センター, 主幹研究員
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Keywords | Pseudomonas tolaasii / 野生きのこ / WLRO / 簡易検定法の開発 / T-PAF培地 |
Research Abstract |
各種野生きのこからPseudomonas tolaasiiの検出を試みた。用いた33種39試料の野生きのこのうち、6種7試料からP.tolaasiiが検出された。昨年度はシイタケほだ木栽培場の周辺に発生する野生きのこからP.tolaasiiが検出されているが、今年度はきのこ栽培地帯ではない場所で採集したものを用いている。よって、今回検出されたP.tolaasiiは、もともと野生きのこを宿主とするものであると考えられる。これらの菌がきのこ栽培にどのように影響を及ぼすかについては、今後の検討が必要である。 施設栽培で生産されるきのこからのP.tolaasiiの検出は、全国各地のきのこ栽培施設の汚染状況を調査する目的で行った。全国各地7県の試料を用いたが、いずれも1gあたり高濃度でP.tolaasiiに汚染されていた。 P.tolaasiiの感染では腐敗しないマイタケを選んで、P.tolaasiiの増殖と生存について検討を行った。その結果、マイタケ子実体上でもP.tolaasiiが少なくとも72時間は安定して生存できることを確認した。一方、きのこ類に病原性を持たないP.syringaeで同様の試験を行った場合は、時間経過とともに菌数が減少していくことから、腐敗しないきのこ類も感染源になりうることが示唆された。 P.tolaasiiの簡易検定法開発するために、White Line形成細菌(Pseudomonas sp.; WLRO)の安定した保存方法を検討した。WLROを保管するための支持体としてT-PAF培地およびろ紙を用いた。T-PAF培地上では、WLROは5日目までは安定して検出できたが、7日目以降は検定効率が低下し、10日以降は検出できなくなった。一方、ろ紙の,場合は7日目でも高い検定効率を示したが、乾燥させると直後から検定効率が著しく低下してしまい、4日目以降は全く検出されなかった。
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