2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヨナグニ蚕由来Cecropia-ITR-MLEの転移活性評価と生物地理学的解析
Project/Area Number |
14560048
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
中島 裕美子 琉球大学, 遺伝子実験センター, 助教授 (70244340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下部 宜宏 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (30253595)
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Keywords | Cecropia-ITR-MLE / 末端逆位繰り返し配列(Inverted Terminal Repeat : ITR) / Bombyx mori (カイコ) / Bombyx mandarina (クワコ) / トランスポゼース(TP:Transpposase) / BmTNML |
Research Abstract |
1)セクロピア蚕MLEの末端逆位繰り返し配列(Cecropia-MLE-ITR)を用いてアジア各地域に生息するクワコに対するPCR増幅を行った。 その結果、これまで異なるいくつかの生物種から単離された水平伝播型配列がMLE全長1.3kbpのシングルバンドであったに対し、クワコにおいては1.3kbpを含む0.5kbpから4.2kphにわたる数多くの長さのバンドが検出された。更に、これらの中には生息地域によって特徴的な長さのバンドも検出された。4.2kbpのバンドは、2種類の起源を同じくすると考えられるレトロトランスポゾンBMC1とL1Bmが入れ子状態に挿入されたMLE(BmTNML)であり、カイコ(n=28)を特徴づけるバンドであることが報告されている(Tomita et al.,1997;Nakajima et al.,1999)。このような別の配列に挿入されたMLEを比較したところ、日本(福岡,n=27)個体からのMLEはBmTNMLと系統樹において同じグループに収束した。以上の結果から、これらのMLEは、カイコとクワコの共通祖先から夫々がn=28およびn=27へ分岐する以前に、共通祖先のゲノムに挿入された配列である可能性が考えられた(Nakajima et al.,2003)。 しかし、一方、このクワコ・カイコ型MLE配列は、系統樹上これまで日本列島に生息する鱗翅目昆虫から単離された水平伝播型全長配列とは違うサブグループに位置していた。カイコやクワコにおいて、日本列島水平伝播型MLEの存在しないのであれば、これらが日本に移入された時期と水平伝播が起こった時期について特定できるので、1.3kbp配列中の水平伝播型MLEの有無を確認する必要がある。 2)ヨナグニ蚕MLEのトランスポゼース(TP : Transpposase)を発現ベクターに組み込み、これをヘルパーとして、ヨナグニ蚕のMLE全長配列をターゲットにpSG1.1を飛ばしたプラスミドとカイコの培養細胞にco-transfectionして転移活性を見た結果、このMLEは転移活性を持つことがわかった。転移活性の向上のためITRの外側に認識配列TAストレッチを添加した完全型ITRをも持つ全長のMLEを供試する実験を更に進めている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Nakajima, Y., Nakamura, T., Banno, Y., Fujimoto, H., Hashido, K., Shiino, T., Tsuchida, K., Takada, N., Maekawa, H.: "Comparison of mariner-like elements among Bombyx mandarina individuals inhabiting east Asia in the light of the segregation of B.mori and B.mandarina."Int.J.Wild Silkmoth and Silk. 8. 57-64 (2003)