2002 Fiscal Year Annual Research Report
土壌中におけるアンモニア酸化菌の多様性と菌数変動および硝化能の関係
Project/Area Number |
14560050
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
早津 雅仁 静岡大学, 農学部, 助教授 (70283348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早野 恒一 静岡大学, 農学部, 教授 (20303539)
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Keywords | 16SrDNA / amo遺伝子 / 硝化 / アンモニア酸化菌 |
Research Abstract |
アンモニア酸化菌は多種多様であり、環境によって優先的にアンモニア酸化を担う種やアンモニア酸化能が変化すると考えられている。そこで、耕地土壌を用いてアンモニア酸化菌の多様性の検討を行った。施肥条件の違いにより土壌pHが3.6(2N区)、4.3(Std区)、5.3(3Ca区)と異なる3種類の茶園土壌とトウモロコシ畑土壌を用いた。強酸性化した2N区土壌から検出され、分離されたNitrosococcus sp.TAO100は16S rDNAと細胞形態からγサブグループのアンモニア酸化菌であることが示された。このTAO100株のamoAの解析結果から、他のγサブグループのアンモニア酸化菌のamoAとは相同性が低いことからTAO100株は新しい種と考えられた。土壌DNAから調製した16S rDNAとamoAのクローニングライブラリー及びPCR-DGGEによりアンモニア酸化菌の多様性を解析した。その結果、一般的に酸性森林土壌で優先種とされているcluster2がStd区においても優先的に存在していた。土壌pHが比較的高い3Ca区ではcluster4が優先的に存在していた。しかし、土壌pHがほぼ同じ草地土壌ではcluster3が優先的に存在していた。このことから土壌pH以外の土壌の性質によってもアンモニア酸化菌の多様性が影響を受けると考えられた。2N区では酸性土壌における優先グループcluster2が優先種ではなく、cluster4が優先的に存在することが示された。しかし、TAO100株とcluster4のNitrosospira属のどちらが優先的にアンモニア酸化に関わっているかはさらに検討を要する。
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