2002 Fiscal Year Annual Research Report
粘液細菌を用いた新規な浸透圧に関与する情報伝達及び応答機構の解明
Project/Area Number |
14560072
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
木村 義雄 香川大学, 農学部, 助教授 (10243750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹川 薫 香川大学, 農学部, 教授 (50197282)
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Keywords | 粘液細菌 / 浸透圧ストレス / アデニル酸シクラーゼ / cAMP / 情報伝達 |
Research Abstract |
粘液細菌の1種であるM.xanthusを用いて新規な浸透圧に関与する情報伝達系を明らかにするため、浸透圧センサーとして機能するタンパク質の検索を試みたところ、細胞膜結合性タンパク質でN末端にセンサー領域、C末端にアデニル酸シクラーゼの触媒領域を有するレセプター型アデニル酸シクラーゼが浸透圧センサーとして機能していることが明らかになった。 このレセプター型アデニル酸シクラーゼ遺伝子破壊変異株を作製して、種々のストレス条件下で培養を行い、野生株との表現型の違いを観察した結果、胞子形成期と発芽時に高浸透圧条件下で培養すると変異株では胞子形成率及び発芽率が大きく減少することをみいだした。そこで細胞内cAMPの定量を行うと、胞子発芽時において野生株と変異株において浸透圧負荷によるレスポンスの違いがみられた。このことから、このアデニル駿シクラーゼは胞子発芽時の浸透圧センサーとして機能していることが推定された。このようなcAMPを介した浸透圧情報伝達は細菌では報告されておらず、細菌での新規な情報伝達系の存在を示唆している。 また、他のアデニル酸シクラーゼが、同様に浸透圧センサーをして機能しているかどうか調べるために、同遺伝子をクローニングしたところ、1つのアデニル酸シクラーゼ遺伝子が取得された。この遺伝子を破壊した変異株を作製し、浸透圧ストレス実験を試みた結果、栄養細胞増殖期に野生株より感受性を示した。このことから、現在、cAMPの定量を行い、このタンパク質も浸透圧センサーとして機能しているかどうか検討を行っている。
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Research Products
(1 results)