2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560076
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
荒井 基夫 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (80081537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 剛司 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (70195056)
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Keywords | セルラーゼ / セルロース / Aspergillus aculeatus / 遺伝子 / アルコール |
Research Abstract |
セルロース性物質は地球上で最も大量に存在する有機物質資源であり、これをアルコールなどの有用物質に転換する研究が重要である。これらを利用するためには、まず加水分解して単糖にまでしなければならない。このために、セルラーゼが重要である。セルラーゼは複合酵素であり、1種類では分解力を示さないが、複数の酵素を混合すると相乗効果が現れ、強い活性を示す。本研究はカビのセルラーゼ遺伝子のいくつかを、酵母に導入して、セルロース性物質から直接アルコールを作ることを目的としている。 まず、エンド型酵素2種類、エキソ型酵素2種類、β-グルコシダーゼ1種類の遺伝子の発現ベクターを構築した。1つのベクターに酵母用プロモータ、1種類のセルラーゼ遣伝子(cDNA)さらに選択マーカとして、宿主の栄養要求性を相補する遺伝子を挿入した。完成した発現ベクターを複数の栄養要求性のある酵母に導入し、選択培地で生育させた。その結果、エンド型酵素2種類は活性を検出できた。次に、エンド型酵素2種類を同時に多重発現させる系を構築したところ、同時発現に成功した。ついで、エキソグルカナーゼとβ-グルコシダーゼの発現系について検討したが、発現させるには至らなかった。原因を究明するため、得られた形質転換体の染色体をサザンハイブリダイゼーション法およびPCRによって調べた結果、導入したプラスミドの構造は染色体中に正しく保持されていると考えられたので、より感度が高く活性が無くても認識する抗体による検出を試みたが発現産物を検出できなかった。一方、既に染色体組み込みベクターにより1種類のエンドグルカナーゼを発現している形質転換体にさらに自律複製型プラスミドによるβ-グルコシダーゼ遺伝子の発現ベクターを導入した結果、プレート上のアッセイによって両者を同時に発現していることが確認できた。
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