2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネグルテリンとプロラミンの分別集積に対するイネプロテインジスルフィドイソメラーゼの機能の解明
Project/Area Number |
14560077
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
小川 雅広 山口県立大学, 生活科学部, 教授 (10160772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊丸 敏博 九州大学, 農学部, 助教授 (00284555)
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Keywords | イネ / 突然変異体 / 金南風 / esp2 / ジスルフィド結合 / PDI / 分子シャペロン / プロテインジスルフィドイソメラーゼ |
Research Abstract |
(1)60kDa PDIの全長DNAの解析:イネ登熟種子のcDNAライブラリーから得られたPDIの全長cDNAクローンの解析とゲノム解析の結果、PDI遺伝子は9つのイントロンによって分断された10のエキソンから構成されていることが確定された。 (2)Esp2遺伝子の特性の解明:esp2突然変異体は60kDa PDIを欠損しているが、Esp2遺伝子と60kDa PDIタンパク質発現との間に遺伝子ドーセージ効果があることが明らかとなった。さらに、F2世代において60kDa PDIの欠損とesp2の表現型の組み換え体が得られないことからEsp2は60kDa PDIをコードしていることがはぼ確実になった。 (3)esp2の対立遺伝子検定解析:esp2突然変異体を分析し、3つの独立した対立遺伝子のゲノム遺伝子解析の結果、Esp2は60kDa PDIをコードしている事、3つのesp2遺伝子が単一ポイント突然変異である事が明らかになった。さらにesp2遺伝子の一つは、第3エキソンの194ヌクレオチドが、AがTに変換され、本来のリジンから終止コドンに、残り二つは、第7イントロンと第8イントロンにおいて3'末端2327番目の塩基ならびに5'末端2435番目の塩基がGからAに変換されていることが明らかになり、60kDa PDIのmRNA形成において正常なmRNA形成が阻害されていることが確定した。以上のことからEsp2は60kDa PDIの構造遺伝子であると結論づけた。 (4)60kDa PDIの存在部位の解明:PDIは小胞体に局在する分子シャペロンであるが、その存在状態はよく分かってない。一方、BiPはプロラミンの集積部位に多く存在していることから60kDa PDIは、BiPと同じ部位に局在している可能性が、考えられたが、ショ糖密度勾配超遠心分離法に依る解析の結果、60kDa PDIはグルテリン前駆体と共存している可能性が大きい事が分かった。従って60kDa PDIは、BiPがプロラミンと共存する事と異っている事が推察された。
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Research Products
(1 results)