2005 Fiscal Year Annual Research Report
イネプロテインジスルフィドイソメラーゼの機能の解明
Project/Area Number |
14560077
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
小川 雅広 山口県立大学, 生活科学部, 教授 (10160772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊丸 敏博 九州大学, 農学部, 助教授 (00284555)
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Keywords | イネ / 突然変異体 / プロテインジスルフィドイソメラーゼ / 分子チャペロン / 金南風 / esp2変異 |
Research Abstract |
(1)40kDa及び60kDa PDIのイネ胚乳における局在性の解明: 2つの分子サイズの異なるPDIに対する異なる抗体を用いて両者の胚乳における局在性の違いについて免疫二重標識蛍光顕微鏡観察を実施した。今までイネ登熟種子を化学固定していたが、免疫性を向上させるために高圧急速凍結法を用いてイネ登熟種子を固定して調製した切片を用いて、免疫標識を実施した。その結果、60 kDa PDIは、明からかにデンプン性胚乳にだけ局在しており、アリューロン層や種皮には存在していなかった。一方、40 kDa PDIは、デンプン性胚乳と共に、アリユーロン層や種皮に明らかに存在する事が判明した。それぞれのPDIの免疫標識蛍光顕微鏡像を重ね合わせて、両PDIの局在性を詳しく観察したが、それぞれが同一の小胞体内に存在しているかどうかについてははっきりと明言は出来なかった。前年度で研究実績で60 kDa PDIはグルテリン前駆体と共存している可能性が大きい事が分かったが、一方、40 kDaPDIがプロラミンと比較的近いところに存在する事を示す免疫蛍光顕微鏡観察像がえられた。従って、両PDIは同じ小胞体に局在するけれども小胞体内においてはそれらの存在部位は異なる可能性があると思われた。 (2)イネにおいて発現しているPDIの種類の解明: イネゲノム解析から2つの活性モチーフとC末にER局在シグナルを有するPDI-likeタンパク質6種類を見い出した。それらの異なる配列を用いてRT-PCR法を用いてそれらのPDIホモログの発現様式を調査したところ、種子にも特異的に発現しているものが3種類存在し、その内のひとつが、60 kDa PDIと40 kDa PDIであった。もう一つは、60 kDa PDIとC末配列が同じKDELを有し、種子以外にの組織にも発現していた。イネ種子においては、還元変性RNAaseを基質に用いたPDI活性測定から求めた比活性が60 kDa PDIと40 kDa PDIを合わせるとその90%以上の活性を有している事からこれら2つのPDIが種子においてグルテリンとプロラミンの分別集積に主に機能していると考えられる。
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Research Products
(2 results)