2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 秀典 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00202416)
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Keywords | 摂食阻害物質 / アザジラクチン / サウリオール / 昆虫変態阻害 / 立体選択的合成 / 不斉合成 |
Research Abstract |
本研究課題2年目である今年度は、サウリオールの類縁体・関連化合物ならびにアザジラクチンの合成研究を行った。 サウリオールはザリガニに対し摂食阻害活性を有するリグナンであるが、昨年度、新規不斉合成により、効率のよい全合成を達成した。その新規不斉反応は、桂皮酸誘導体に対する酸化的二量化反応で、酸化鉛を用いるため環境負荷の大きい反応であった。そこで本年度は、酸化法として電解反応を検討した。その結果、本反応を大幅にクリーンな反応へと発展させることが出来た。本方法により、同様の炭素骨格を有するリグナン類数種を合成した。これらの生物活性試験により、構造-活性相関を明らかにしたいと考えている。 アザジラクチンは、昆虫に対し強力な摂食阻害活性ならびに成長阻害活性を示すリモノイドである。多くの研究者が、合成研究を行っているが、その構造の複雑さゆえに未だ全合成は達成されていない。。このものの立体選択的全合成研究は、引き続きラセミ体を用いた検討を行っている。分子内ディールス・アルダー反応と分子内ラジカル環化反応を鍵とした合成を目指しており、ディールス・アルダー反応-脱炭酸-クライゼン転位より一気に合成した3環性の化合物からの変換によってアザジラクチンのA環の5つの不斉炭素を構築しようと検討を行った。一旦6員環を切断し、再度環化するために環上に電子供与基を入れた誘導体等を調製した。この段階がクリア出来れば非常に短工程で柔軟性の高い合成ルートが確立出来ると考えている。
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