2004 Fiscal Year Annual Research Report
AGEの蓄積における酵素的作用の解析とそのフラボノイドによる調節
Project/Area Number |
14560090
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
長澤 孝志 岩手大学, 農学部, 助教授 (80189117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 芳明 岩手大学, 農学部, 助手 (50312517)
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Keywords | グリケーション / フラボノイド / プロテアソーム / AGE / ユビキチン / 糖尿病 / ラット |
Research Abstract |
昨年度までの研究で、非酵素的糖化反応(グリケーション)において、きわめてグリケーションしやすい活性カルボニル化合物(α-ジカルボニル化合物)であるグリオキザール、メチルグリオキザール、3-デオキシグルコソンの生成に関わるアルドース還元酵素の活性が、糖尿病で増加し、それをカテキンやルチンのようなフラボノイドが阻害することを明らかにした。さらに、活性カルボニル化合物の分解をするグリオキザラーゼ活性が糖尿病で減少することも示した。その結果、糖尿病では生成が増加し、分解が減少するため活性カルボニル化合物が蓄積し、グリケーション後期段階生成物(AGE)の生成が増える可能性が考えられた。本年度は生成したAGEの分解について検討を行った。酸化修飾されたタンパク質はプロテアソームにより分解されやすいことが知られている。しかし、AGEをプロテアソームとインキュベーションしても顕著な分解は示さなかった。次にin vivoでプロテアソーム系の関与について解析した。SD系雄ラットにストレプトゾトシンを投与して糖尿病を発症させ、1か月間飼育した。その結果、肝臓や腎臓のAGEは顕著に増加した。さらに糖尿病ではユビキチン化タンパク質が増加するが、免疫沈降法で確認したユビキチン化されたAGEは増加していなかった。これらの変化にはフラボノイドの摂取は影響しなかった。以上より、酸化修飾とは異なり、グリケーションは著しい架橋反応を伴い、プロテアソームによる分解は促進されないことが明らかになった。したがって、AGEは酸化修飾タンパク質より蓄積されやすいことが示唆された。
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