2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞の分化誘導と質的変化を制御するアラキドン酸カスケード反応の分子調節機構
Project/Area Number |
14560099
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
横田 一成 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (90158361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地阪 光生 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (60243424)
西村 浩二 島根大学, 総合科学研究支援センター, 助手 (30304257)
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Keywords | 脂肪細胞 / プロスタノイド / イソプロスタン / アスピリン / インスリン / アディポネクチン / マウス3T3-L1 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
脂肪細胞への分化能を有する前駆脂肪細胞株のマウス3T3-L1細胞を用いて、各種のプロスタノイド(PG)やイソプロスタンの脂肪細胞機能に対する作用を検討した。逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応法によって、脂肪細胞の分化誘導のマーカー遺伝子の発現を調べた。その結果、インスリンを含む成熟促進培地中で、アスピリンの添加により成熟期の脂肪蓄積が有意に抑制された。このことは、インスリンを含む成熟促進培地中での脂肪蓄積を促進する内因性PG類の生成を示すものである。インスリンの場合で存在しない場合では、アスピリンの脂肪蓄積に対する抑制作用は顕著ではなかった。一方アスピリンに加えて外因性PGを添加すると、インスリンの有無にかかわらず、15-デオキシ-Δ^<12,14>-PGJ_2、Δ^<12>-PGJ_2、そして9,10-ジヒドロ-15-デオキシ-Δ^<12、14>-PGJ_2のようなPGJ2誘導体により、脂肪細胞内の脂肪含量の蓄積の促進が有意に認められた。また、インスリンの存在する場合とない場合の両条件で、酸化ストレスを反映するF_<2a>-イソプロスタンの8-iso-PGF_<2α>は、成熟期の6日間の脂肪蓄積量の有意な増加を示した。このことは、生体内での酸化ストレスによる肥満の促進作用の一面を示唆するものである。今回の成熟期での脂肪蓄積作用に対して、インスリンのない場合、PGF_<2a>、11β-PGF_<2a>、PGE_2は、脂肪蓄積を抑制する作用が顕著であった。遺伝子発現の解析の結果、脂肪細胞のマーカー遺伝子の発現の解析結果、PGF_<2A>はインスリン感受性を維持し脂肪酸の分解促進に関与するアディポネクチンやレプチンの発現を強く阻害した。このことは、PGF_<2a>の脂肪細胞の分化誘導の阻害作用を反映するものである
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Research Products
(5 results)