2002 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花粉アレルゲンIgEエピトープのファージディスプレー法による検策
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14560100
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
重田 征子 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (10034381)
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Keywords | スギ花粉 / アレルゲン / エピトープ / IgE |
Research Abstract |
スギ花粉症は日本人の13%以上の人が罹患する非常に重篤なアレルギーである。これに対するアレルゲンは現在Cryj1とCryJ2が良く研究されているが、そのIgEエピトープは未だ解明されていない。また、その他のアレルゲンについては我々の所で発見したCJP6のみであり、全く情報がない状態にある。いろいろな治療が施されているにも関わらず、花粉症の患者の60%を越えるひとが、治療に不満を抱いていることがアンケート結果から明らかである。その原因としては花粉抗原の洗い出しが不十分であるために適切な抗原による治療が受けれないことも1原因である。その点をふまえて、今回は研究のスタートが秋期からであったので、まず、スギ花粉アレルゲン分子種構成の解明から研究をスタートした。スギ花粉タンパク質をHoefer DALTシステムを用いて2次元電気泳動し、さらにウェスターンプロットを行い、スギ花粉全タンパク質スポットの中からスギアレルゲンタンパク質スポットを選別した。スギ患者IgEとの反応頻度を45人の患者血清を用いて測定した結果、10%以上の患者がIgEを持っているスギアレルゲンタンパク質が108個存在した。40%以上の患者血清IgEが反応するタンパク質が41個存在した。これまでスギ花粉アレルゲンは3個しか同定されておらず圧倒的多数のアレルゲンが未同定のままであることが明らかとなった。MALDI-トフマスを用いてアミノ酸シークエンスを決定したところ、Cryj1は9個の同位体が存在し、それぞれの同位体において患者IgEとの反応頻度に差があった。Cryj2には3個存在したが、患者IgEとの反応頻度には差がみられなかった。又患者間でもっているスギ特異的IgE抗体にかなり違いがあることから、この2次限のイムノブロットは花粉症の診断に威力を発揮するものと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] I.Tategaki: "High molecular-size mite antigen (HM1) fraction aggravated airway hyperresponsiveness of allergic mice in house dusts and whole mite cultures"Int. Archives Allergy Immunol. 129. 204-211 (2002)
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[Publications] I.Tategaki: "Inducing proliferative response of T cell on high-molecular-size antigen in Dermatophagoides farinae feces"Int. Archives Allergy Immunol. 127. 276-284 (2002)
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[Publications] S.Kawamoto: "Der f 16 : a novel gelsplin-related molecule identified as an allergen from the house dust mite, Dermatophagoides farinae"FEBS Let.. 516. 234-238 (2002)
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[Publications] Huang J.: "Enzymatic preparation of glycerides rich in dochosahexaenoicacid from Thraustochytrid singlr cell oills by Candida rugosa lipase"J. Oleo Sci.. 51. 447-455 (2002)
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[Publications] J.Fujita: "Production and properties of phytase and acid phosphatase from a sake koji mold, Aspergillus oryzae"J.Biosci.Bioeng.. (in press). (2003)
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[Publications] 重田征子: "スギ花粉症のアレルゲンはどこまでわかったか?"化学と生物. 40. 144-145 (2002)