2002 Fiscal Year Annual Research Report
国産小麦の搗精法で得られる分級粉の酵素による製パン性改良に関する研究
Project/Area Number |
14560106
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森田 尚文 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00094631)
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Keywords | 分級粉 / 製パン / 国産小麦 / 酵素分解 / ドウの物性 |
Research Abstract |
軟質小麦農林61号と硬質小麦1CWから分級精粒法により調製した分級小麦粉の各種酵素との併用におけるドウの物性と製パン性について検討した。通常に製粉された農林61号(N61)へ10%の分級粉A-4(70-60%分級層)、A-7(40-30%分級層)を代替すると、比容積はN61単独の場合よりも若干増大し、更にヘミセルラーゼの添加により、製パン性は明らかに改善された。また、全穀粒重量の70〜40%層から得られた分級粉をN61の30、50%代替し水分添加量を検討して製パンすると、N61単独よりもパンの体積は大きくかつ軟らかくなった。さらに、ペントサナーゼやセルラーゼの併用によりN61単独よりも顕著に製パン性は改善された。特に85%の水分を含む50%の代替粉では、ドウ中の澱粉粒子は伸展性のあるグルテン組織に囲まれ、発酵中の膨化も促進されていた。一方、硬質小麦については、同じ栄養価値が予想されるが、生産および使用頻度の低い市販全粒粉とその製パン性を比較検討した。通常製粉した硬質小麦粉(CW)に分級粉を10%代替すると、ほぼ100%外皮成分であるC-1(100-90%分級層)の代替では比容積はCWの約75%にまで減少した。しかし、C-5(60-50%分級層)とC-8(30-0%分級層)の代替では全粒粉よりも比容積の減少を若干抑制した。また、C-1を除く分級粉と全粒粉の代替粉ではCWとパンクラムの保存特性に差は認められなかった。これらの代替分にα-アミラーゼを添加すると、ドウの安定性は著しく低下するものの、その他の製パン性においては改善が認められた。特にそれは全粒粉よりも分級粉を代替した場合に顕著であった。これは分級粉中の外皮成分の優れた発酵促進作用と、α-アミラーゼによる多量の損傷澱粉の分解が、酵母の発酵力やドウの水分保持力を増加させたのではないかと考えられる。従って、分級粉の加工食品への利用には、分級粉の特性を生かした損傷澱粉および外皮成分の分解酵素の各種併用が必要であると考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tomoko Maeda, Yukiko Kimura, Naofumi Morita: "Comparison of baking properties between polished wheat flours and commercial whole grain flours"Proceedings of Australian Cereal Chemistry Conference. 53(発表予定). (2003)