2003 Fiscal Year Annual Research Report
ユーカリポリフェノールの腸管フルクトース吸収抑制作用と肥満予防・糖尿病改善効果
Project/Area Number |
14560107
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
乾 博 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (20193568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 長久 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20081581)
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Keywords | スクロース摂取 / 高脂血症 / 肥満 / スクラーゼ阻害 / 腸管フルクトース吸収阻害 / GLUT5 / ポリフェノール / ユーカリ |
Research Abstract |
ユーカリの葉には加水分解性タンニンやフロログルシノールなどの様々なポリフェノール化合物が含まれており、多彩な生理活性が報告されている。申請者らはポリフェノール類を多く含むユーカリ葉抽出物をラットの飼料中に添加すると、通常食(スターチ食)では何ら影響が見られないが、高スクロース食では体重増加が抑制されるとともに高脂血症や内臓脂肪の蓄積が有意に阻止されることを明らかにした。さらに、この原因について検討し、ユーカリ葉抽出物中に腸管におけるスクラーゼ活性の阻害とともにフルクトース吸収抑制作用を見いだした。 本研究ではまずスクラーゼ阻害物質について検討し、加水分解性タンニンの1種であるペンタガロイルグルコースなど数種の阻害物質を同定した。つぎにフルク・トース吸収阻害物質の検索を行うため、ユーカリ葉抽出物をエチルエーテル、酢酸エチル、ブタノール、水可溶性画分に分画し、それぞれの画分における腸管フルクトース吸収阻害活性をラットを用いたin vivoアッセイを行った。その結果、阻害活性はエチルエーテルおよびブタノール可溶性画分に見いだされた。ブタノール可溶性画分についてさらに各種カラムクロマトグラフィーを行い活性成分の単離・同定を試みたが、阻害物質が多種存在するため単一物質を単離するには至らなかった。 そこでアッセイシステムを簡便化する目的で培養細胞系を用いたシステムの構築を試みた。腸管におけるフルクトースの吸収にはGLUT5が関与しているので、GLUT5を発現している培養細胞株をいくつか調べたが、アッセイシステムとして用いるに十分な吸収活性を示す細胞株は見つからなかった。そこでヒトGLUT5遺伝子をPCRにより単離し、CHO細胞に遺伝子の導入を行った。GLUT5の発現をウエスタンブロッティング法で確認できたので、現在さらに発現レベルを高める方向で改良を進めている。
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