2002 Fiscal Year Annual Research Report
尿ペプチドの起源の解析とそれを応用したタンパク質代謝状態の判定法の開発
Project/Area Number |
14560110
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
野口 忠 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50011937)
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Keywords | 尿ペプチド / タンパク質栄養 / 栄養評価 / ペプチド分析 |
Research Abstract |
尿へは常にペプチドが排泄されており、その起源と排泄量を測定することは、タンパク質代謝の状態を把握する上で重要と考えられるが、いまだほとんど研究がなされていない領域である。本研究は、ヒトやラットの尿のペプチドの起源を解明し、特徴あるペプチドの排泄量を測定することによって、タンパク質代謝の状態や疾病の早期発見を図ろうとする。まず、除タンパク質したヒト尿を脱塩し、ペプチド画分を銅-セファデックス法で調製した。その標品をキャピラリー電気泳動法で解析することにより全体的に把握する条件を検討した。その結果、ホウ酸-リン酸緩衝液系を用い、アルカリ性領域で、キャピラリー電気泳動を行うことによって、優れた分離を示す条件を確立することができた。さらに、質量分析計へと直接導入することを考え、揮発性溶媒系での条件を検索し、酢酸-酢酸アンモニウム系で、良好な条件を得ることができた。しかし、この条件では、まだホウ酸-リン酸系に比べて十分な分離条件ではないので、さらにより優れた分離を示す条件を検討している。 健康な複数のヒトの尿を分析した結果では、いずれも、上記の条件では、優れた再現性を示した。今後、さらにMALDI-TOF質量分析計、イオントラップ型質量分析計などをキャピラリー電気泳動と連結して多数の尿ペプチドの構造を決定して、その起源を同定し・疾病条件下などでの特異的ペプチドの検出を行っていく。
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