2004 Fiscal Year Annual Research Report
尿ペプチドの起源の解析とそれを応用したタンパク質代謝状態の判定法の開発
Project/Area Number |
14560110
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
野口 忠 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50011937)
|
Keywords | 尿ペプチド / タンパク質栄養 / 栄養評価 / ペプチド分析 |
Research Abstract |
前年までの研究で、尿のペプチドのキャピラリー電気泳動法によるヒトおよびラットの分析法を確立した。方法の概要は、脱塩した尿試料を、pH9〜10で、ホウ酸-リン酸緩衝液でキャピラリー電気泳動に供する方法である。いわば、フィンガープリントという形で、尿のペプチドを分析できることが明らかになった。その結果、尿のペプチドのフィンガープリントは、ヒトの男女でほとんど差のないこと、ヒトとラットでも極めて近似していることを明らかにし、尿ペプチドについて、従来の全アミノ酸組成分析で筆者が推定してことを支持する結果となった。本年度は、この方法を応用して、生理的状態の異なる個体について分析を行い、尿へ排泄されるペプチドマップに変化が現れるかを明らかにしようとした。ラットに0.1ppmから1000ppmの数段階で塩化カドミウムを含む飼料を投与し、尿へ排泄されるペプチドのフィンガープリント解析を行なった。その結果、100ppm以上のカドミウムを投与したラットで、新たに出現するペプチドのピークを複数個検出することができた。これらのペプチドの同定を試みたが、単一にするについて、多大の努力をしたにもかかわらず、単離には至らなかった。今後の課題にしたい。本研究により、尿のペプチドの系統的分析と、生理的異常の検出にこの分析が使用可能であることが確認されたことを、成果としたい。今後、本研究申請時の計画である、生理的条件で影響を受けるペプチドの同定を進めて、臨床応用などを図っていく予定である。
|