2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560118
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
紙谷 智彦 新潟大学, 農学部, 教授 (40152855)
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Keywords | 森林管理 / 生物多様性 / 間伐 / 人工ギャップ / 送粉シンドローム / 種子散布シンドローム |
Research Abstract |
本研究は、森林の林冠条件や管理方法の違いが生物多様性に及ぼす影響を明らかにするとともに、里山林全体の多様性に対する各林分の貢献度を評価することを目的としている。具体的には、(1)針葉樹人工林施業、(2)針葉樹人工林に広葉樹を導入する針広混交林施業、(3)薪炭林が放棄された広葉樹二次林を対象に、これら異なる取り扱いがなされてきた森林の林床に出現する植物相と、それらが繁殖過程で依存する動物相を明らかにし相互に比較することによって、林冠構成木の違いが林床の生物多様性におよぼす影響を明らかにする。そのために、林野庁撮影の空中写真をデジタル化して画像解析システムに取り込み、ランドスケープレベルでの林相区分を行った。区分された各対象から無作為に10林分ずつ合計50林分を選び、現地で40m×40mのプロットを設置して以下の調査を行った.木本層(高さ2m以上の樹木をすべて)は10m×10mのサブプロット16個に分割し毎木調査を行った。草本層(2m未満)は1m×1mの植生調査枠を40個設けて出現する維管束植物種を記録した。さらに、調査林分の光環境を推定するために,すべての植生調査枠の上で全天写真撮影システムを使い,展葉期と落葉期に全天空写真を撮影した。調査結果から植物種の出現パターンを統計処理して、有意に高い頻度で特定の林分に出現する種群、林分間で共通して出現する種群、低頻度の種群などに分類し、林冠構成種の違いや施業履歴の異なる人工林の間で出現する植物種を調べるとともに、それらの送粉シンドロームおよび種子散布シンドロームを比較した。また、5年前に設置した人工的にギャップが創出された広葉樹二次林の永久コドラートで出現植物のモニタリングを行い、上記の各林分に加えて同様の解析を行った。
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Research Products
(1 results)