2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560120
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
深宮 齊彦 広島大学, 総合科学部, 教授 (90106782)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富樫 一巳 広島大学, 総合科学部, 教授 (30237060)
|
Keywords | マツ / 材線虫 / 誘導抵抗性 |
Research Abstract |
平成15年度は誘導抵抗性を示したアカマツとコントロールの成分比較および.本年度は構造活性相関を踏まえた類縁体合成を行った. (1)既知成分の定性,定量分析 テーダマツの材線虫病抵抗性成分(ピノシルビンおよびピノシルビンモノメチルエーテル)を合成し,誘導抵抗性発現木と対照木についてそれらの化合物の存在の有無,量的比較を行った.HPLCの保持時間の一致よって,殺線虫活性物質であるピノシルビンモノメチルエーテル体が誘導抵抗性発現木と対照木の材に存在することをそれぞれより単離し,NMR, LC-MSを用いて確認した.ピノシルビンモノメチルエーテルの検量線を用いた定量分析の結果誘導抵抗性を生じたアカマツ内樹皮の含量がコントロール材より若干増加していることが明らかになった. (2)ピノシルビン類縁体の合成 ピノシルビン類の線虫に対する活性を調べるため各種ピノシルビン誘導体を合成し線虫に対する活性試験を行い構造活性相関の検討を加えた.ピノシルビン,ピノシルビンモノメチルエーテルを接触還元し,二重結合の還元体を合成し,殺線虫活性試験に付したところ活性が見られなかった.また,3-ヒドロキシ体,3-ヒドロキシ-4-メトキシタイ,4-ヒドロキシ-3-メトキシ体,3-ヒドロキシ-4-フロロ体,4-ヒドロキシ-3-フロロ体,4-フロロ-3-メトキシ体を合成し,殺線虫活性を検討した.この結果,3-ヒドロキシ体,3-ヒドロキシ-4-メトキシタイ,3-ヒドロキシ-4-フロロ体,4-フロロ-3-メトキシ体に強い殺線虫活性が認められた.これは3位の水酸基の存在が殺線虫活性に必要であることを示している.しかし,水酸基のない4-フロロ-3-メトキシ体にも強い活性が見出されたことは興味深い.
|