2003 Fiscal Year Annual Research Report
樹木内生菌の検索、生態解明および多様性評価法に関する研究
Project/Area Number |
14560126
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
佐橋 憲生 独立行政法人森林総合研究所, 九州支所, グループ長 (10202102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 邦彦 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (00325771)
金子 繁 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, 支所長 (30088843)
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Keywords | 樹木 / 内生菌 / 検索 / 種構成 / 生態 |
Research Abstract |
茨城県小川学術参考林のブナ生葉の主要な内生菌類である、Mycosphaerella buna,Ascochyta fagi,Tritirachium sp.,Periconiella sp.の感染源を明らかにするため、生育時期に感染が起こらないようにミリポアーフィルターで空気流通が起こるようにしたポリエチレン袋で枝の被覆試験を行うとともに、種子から生育させた内生菌が存在しない鉢植え苗を用いて、試験地で感染試験を行った。その結果、空気伝染する感染源が高密度で存在することが明らかになった。Mycosphaerella bunaは全期間無病徴の葉にのみ生息し、その感染源は春期は落葉上の子嚢胞子、夏から秋期は分生子であり、枝からの菌の移動はないことが明らかになった。Ascochyta fagiも冬芽の外側鱗片に存在するが、葉への菌の移動はないことが確認された。Periconiella sp.は、葉の展開とともに冬芽の未熟な枝から葉へ菌糸が進展することが明らかになった。Tritirachium sp.は、冬芽が新しい枝と葉に展開した後に、前年の枝から新しい枝へ菌糸が進展することが示唆された。マテバシイ稚樹のデータを成木と比較し、稚樹では成木の内生菌相のうちサイト特異性の強い菌が欠けており、代わりに普遍的に見られる(樹種特異性の低い菌)Colletorichum,Phomopsisといった菌が優占していることを示した。シロダモの葉では内生菌の分離頻度は葉柄の方が葉身部より高かった。葉柄ではXylariaceaeの一種とPhomopsis sp.が優占しており、葉身部ではCytosphaera sp.とAscomycete sp.1が比較的分離頻度が高かった。照葉樹林のブナ科樹木の内生菌群集を明らかにするため、3種の樹種から分離された菌を収集し同定作業を行っている。
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Research Products
(1 results)