2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属との複合化による木質由来炭素の高・多機能化-メソ細孔を有する高結晶炭素の製造
Project/Area Number |
14560128
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 勉 北見工業大学, 工学部, 教授 (20125389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 哲夫 北見工業大学, 工学部, 助教授 (40091558)
清水 祐一 苫小牧高専, 物質工学科, 教授 (80142694)
藤原 政司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30229075)
高橋 行雄 北見工業大学, 工学部, 助教授 (60125391)
沖本 光宏 北見工業大学, 工学部, 助手 (00113704)
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Keywords | ニッケル触媒 / 炭化 / 結晶炭素 / メソ細孔 / 二元機能 |
Research Abstract |
Ni触媒炭化によって結晶性でメソ孔を有する炭素(導電性で液相吸着能の高い二元機能炭素)を選択的に調製するための適正条件を明らかにするため、炭化温度、Ni量、Ca共添加量、He気流量、昇温速度、保持時間等の影響について調べた。その結果、T成分を生成し、メソ孔割合が高い炭化物を与える温度は850-900℃であり、Ni添加量は2%で十分であった。また、この温度域におけるCa共添加量の増加はT成分とメソ孔の生成を共に抑制した。このことから、T成分の形成とメソ孔の発達は密接な関係を有することが確認された。さらに、メソ孔の発達は、BET表面積を減少させ、BET細孔容積を減少させることから、主としてミクロ孔の合体によることが示唆された。He流量については、T成分とメソ孔の生成割合を最大とする適正量が出現した。このことは炭素表面における発生ガスの拡散挙動が重大な影響を及ぼすことを示している。昇温速度の変化は調査した範囲では重大ではなかったが、保持時間の延長はT成分、メソ孔の生成に有利であった。このことは炭素内部の熱伝導が反応促進に関与し、それだけ炭素の熱伝導の低さを物語っている。即ち、本研究ではセパレーター、キャパシター等への応用が可能な高性能炭素電極用炭素の製造を目指しており、このような高付加価値の二元機能炭素が適正条件のNi触媒炭化によって簡単に製造できることを明らかにしたことは工業的に大きな意義がある。また、T成分の形成とメソ孔の発達との高い相関性は学問的に興味深い新知見であり、今後そのメカニズムを詳しく調査することが炭素機能化の新ルート開拓につながると期待される。
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Research Products
(2 results)