2003 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ基を有するセルロース誘導体の調製と機能化に関する検討
Project/Area Number |
14560136
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高野 俊幸 京都大学, 農学研究科, 助教授 (50335303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中坪 文明 京都大学, 農学研究科, 教授 (10027170)
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 助手 (10293911)
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Keywords | セルロース / キトサン / 位置選択的置換 / グルコースオルトエステル |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、アミノ基を有するセルロース誘導体として、6-Amino-6-deoxycellulose (6-ADC)について検討した。セルロース誘導体の物性は、一般に、置換基の数(置換度)のみならず、置換基の分布に大きく影響されることが知られている。そこで、6-ADCについても、置換基の分布の問題は重要であると考え、種々の位置選択的置換6-ADC誘導体の調製を行った。 具体的には、昨年度調製法を確立した6-ADCからでは調製が困難であるC-2,3置換6-ADC誘導体(C-2,C-3位の水酸基に置換基を、C-6位に遊離のアミノ基を有する誘導体)を天然セルロースから4段階の反応で得ることに成功した。6-ADC自体では、有機溶媒に対する溶解性に乏しく、フィルム形成などの加工性に難があったが、得られた6-ADC誘導体は、クロロホルムなどの有機溶媒に可溶となった。 また一方、グルコースオルトエステル誘導体の開環重合を用いる方法による6-ADC誘導体の検討も行い、さらに高度に置換基制御されたC-2,3置換6-ADC誘導体(C-2の水酸基、C-3位の水酸基、C-6位のアミノ基各々に異なる置換基を有する誘導体)の合成法を確立した。この方法では、目的とする置換基の置換パターンに合わせて合成経路を選ぶ必要があるものの、より精密な位置選択的置換6-ADC誘導体の合成が可能であることが示唆された。
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