2004 Fiscal Year Annual Research Report
資源管理のための選択漁具装置における分離性能評価に関する研究
Project/Area Number |
14560145
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
東海 正 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (30237044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 夫祥 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (80293091)
塩出 大輔 東京海洋大学, 海洋科学部, 助手 (40361810)
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Keywords | 漁具選択性 / 桁網 / 漁獲過程 / サイズ選択性 / 接触確率 / 分離効率 |
Research Abstract |
生物が漁具の分離装置に接触して生じる接触選択性contact selectionに対して,それを含んだ漁具全体の選択性は有効選択性available selectionと定義されている。特に,最近では,網口や網の途中に分離装置を装着することで,種類や大きさをより効率的に分けて漁獲することが盛んに行われている.従来盛んに行われた網目選択性などの接触選択性だけでなく,漁具全体の選択過程(分離過程)をモデル化して,有効選択性を求めることを試みた. 例として,海底に潜った二枚貝を掘り起こしながら漁獲するための爪を,その網口に持った桁網漁具の選択過程をモデル化して,漁具全体の選択性のモデル化に成功した.まず,従来からの手法を用いて,桁網で採集された二枚貝を最終的に篩い分けるものとして,桁網の袋網の網目選択性曲線のマスターカーブを求めた.このほかに,二枚貝を対象とする桁網には網口の下部に鋤のように一定間隔に配置された爪を有している.この爪に接触した二枚貝は,爪間隔で篩い分けられると考えられて理論的な選択性曲線が考えられてきた.しかし,近年のポルトガルや韓国で行われた実験で得られた採集物の大きさを比較しただけでは,こうした爪間隔によって二枚貝の大きさを篩い分ける機能を見出すことができなかった.これは,すべての二枚貝が爪に接触するわけでなく,ある程度の割合の二枚貝が海底の砂や泥とともに爪に接触することなく(つまり篩い分けられることなく)網に入ることが問題であり,このプロセスをモデル化した,そして,実際の桁網の操業実験データを解析したところ,二枚貝が爪に接触する確率とともに,爪間隔の選択性曲線を求めることができた.この爪への接触確率および爪間隔によるサイズ選択性と網目選択性を組み合わせることで漁具全体の選択性を評価することができた.
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Research Products
(5 results)