2002 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯産超小型ワムシ類の生物機能解明と大量保存への展開
Project/Area Number |
14560155
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
萩原 篤志 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (50208419)
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Keywords | 熱帯産超小型ワムシ類 / 遺伝的特性 / 耐久卵 / 低温耐性 / 冷蔵保存 / 仔魚飼育 |
Research Abstract |
1.SS型ワムシの生物機能解明 (1)遺伝的特性既に採集したSS型ワムシ10株に対して、性フェロモン性状解析、アロザイム分析等に取り組み,L,S型ワムシとの遺伝的変異とSS型ワムシ株内の変異性を求めた結果,SS型ワムシがL,S型ワムシとは異なる新種のワムシである可能性が強く示唆された。 (2)生殖特性と大量保存への応用 SS型ワムシを10および12℃下で14日間生かしたまま保存できることが分かった。保存期間終了時にワムシ培養水中へγアミノ酪酸50μg/mLを投与することにより、25℃移行後の個体群増殖が促進された。、30-35℃の高温下で両性生殖が発現するので、個体群の急速な成長にともなう餌料不足と水質の悪化が起こりやすく、両性生殖が進行する前に培養が崩壊する例が多い。SS型ワムシをあらかじめ35℃で培養して両性生殖を十分発現させた後、25℃に水温低下させることにより、以後7日間、安定的に両性生殖を進行できた。11日間の培養実験(水量500mL)では水温低下処理によって対照より2.1倍高い効率で耐久卵を形成できた。500L水槽(水量400L)を用いた場合にも、同じ効率で耐久卵を量産でき、9日間の培養後、約2000-3000万の耐久卵が形成された。 2.SS型ワムシを用いた仔魚飼育試験 開口時の口径が小さいマハタを材料とした飼育実験を,30-100リットル水槽を用いて孵化後10日間実施した。開口直後のマハタ仔魚が摂餌していたワムシのサイズが150μm以下であったことから、SS型ワムシの中でもサイズが最も小さいインドネシア株(被甲長80〜150μm)を用いれば小型ワムシの選別等を行わずとも十分に飼育が可能であることがわかった。
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Research Products
(1 results)