2003 Fiscal Year Annual Research Report
資源循環の一環としての環境保全型酪農の形成・展開条件に関する研究
Project/Area Number |
14560191
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
市川 治 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (20212988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
發地 喜久治 酪農学園大学, 酪農学部, 助教授 (40244842)
干場 信司 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (90111161)
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
森田 茂 酪農学園大学, 酪農学部, 助教授 (70182243)
志賀 永一 北海道大学, 大学院・農学研究所, 助教授 (50235511)
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Keywords | 地域的な連携・交換システム / バイオガス利用システム / 酪農支援システム / 資源循環システム / 外部組織の支援システム / 評価システム / 地域循環システム |
Research Abstract |
表記の研究課題に沿って、本研究では、今日の酪農経営の問題点を解明し、生産技術的、及び経営経済的な統一的な視点から環境保全型酪農の形成・展開条件を検討した。 具体的には、1年目の成果を踏まえ、道内畑地型酪農・十勝の鹿追町酪農や網走の湧別町酪農、草地型酪農の根釧の別海町酪農、府県の都市近郊酪農の京都八木町酪農の実態調査と、これに関連する関係機関・団体の調査研究を行った。さらに、昨年の中国杭州市に引き続き、デンマークでの持続型酪農についての現場研修・資料収集と研究者によるレビューを受けた。加えて酪農学園大学と帯広畜産大学での生産技術的・実験的な研究を担当者を中心に検討した。これを通じて、個別酪農での資源循環を考えた環境保全型酪農の条件、地域的な連携・交換システムや、酪農のふん尿活用のひとつとしてのバイオガス利用システム、さらにこれらを含む地域的・公益的な農業・酪農支援システムのなかでの環境保全型酪農の形成・展開条件についての検討を行った。ここから個別酪農経営としては、個別で資源循環システムを形成するか、個別でできない場合には、地域的な資源循環システムを形成するのが、環境保全型酪農の存続で大切なことである。その成立・展開のためには、適切な規模を考え、堆肥施設の整備やバイオガス利用システム等を考慮にいれて支援システム・外部組織の支援システムを形成する必要がある。しかし、バイオガス利用システムの形成成果はまだ日本では十分でなく、評価しにくい状況であり、これを評価していくこと・評価システムを確立していくことが今後の課題でもある。また、大規模化の進行のもとで、どのように地域循環システムを形成していくか、どのように位置付けていくかを明確にすることも今後の課題である。
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Research Products
(15 results)
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[Publications] 市川 治: "期待される土建会社などのコントラ参入の意義と課題"酪農ジャーナル. 56・7. 12-14 (2003)
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[Publications] 市川 治: "外部組織を活用した大規模専業化"DAIRYMAN. 54・1. 42-43 (2004)
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[Publications] 市川 治: "個別経営による外部支援組織の活用法"酪農ジャーナル. 57・4. 13-15 (2004)
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[Publications] 中原 准一: "バイオマス活用の条件-デンマークの共同バイオガスプラント事業に学ぶ-"畜産の情報. 19-24 (2003)
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[Publications] 中原 准一: "バイオガスプラント事業への期待"農家の友. 55・5. 32-33 (2003)
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[Publications] K.Uetake, S.Morita, Y.Kobayashi, S.Hoshiba, T.Tanaka: "Approachability and contact behavior of commercial dairy calves to human"Animal Science Jounat. 74巻. 73-78 (2003)
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[Publications] 市川治, 中原准一, 干場信司, 發知喜久治, 鵜川洋樹, 志賀永一, 梅津一孝, 森田茂, 堂地修: "酪農におけるバイオガス利用システム導入の経営経済的評価に関する研究"平成14年度ノースティック財団研究開発助成事業補助金研究成果報告書. 1-94 (2003)
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[Publications] 影山杏里奈, 村上絢野, 斉藤利晃, 河上博美, 森田茂, 干場信司: "自動搾乳システムにおける牛舎内移動方式と乳牛の採食行動"酪農学園大学紀要. 28(1). 67-72 (2003)
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[Publications] 鵜川洋樹: "飼料生産拡大に関する酪農経営者意識"農業経営研究. 41(1). 65-68 (2003)
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[Publications] 小野学, 鵜川洋樹: "分散型バイオガスシステムの運営実態と畑地型酪農経営に及ぼす効果-『積雪寒冷地における環境・資源循環プロジェクト』湧別資源循環試験施設の稼働初年目実績を対象に-"農業経営研究. 41(2). 98-103 (2003)
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[Publications] 鵜川洋樹: "草地酪農地帯におけるふん尿処理施設整備の影響"平成15年度日本農業経営学会研究大会 報告要旨II. 143-146 (2003)
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[Publications] 梅津一孝: "寒冷地における高温バイオガスプラントの稼働状況"欧州諸国における循環型農業の発展とバイオ熱エネルギー市場の形成に関する比較研究. 66-75 (2003)
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[Publications] 梅津一孝他共著: "乳牛糞尿と有機性廃棄物による混合メタン発酵消化液の秋蒔き小麦への施用、農作業研究"「資源循環型家畜屠体処理のプロセス構築」日本畜産学会報. 74・3. 389-395 (2003)
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[Publications] 寺脇良悟, 堂地修他共著: "中華人民共和国新疆ウイグル自治区クチャ県における乳用牛群増殖計画に関するシュミレーション予測"J.Rakuno Gakuen Univ.. 28・1. 55-59 (2003)
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[Publications] 市川 治: "農協等出資法人 湧別農業サポート公社"平成15年度民間企業等の農業法人への出資状況等の事例調査事業報告書. 23-29 (2004)