2003 Fiscal Year Annual Research Report
非線形時系列解析手法を用いた実時間水文量予測に関する研究
Project/Area Number |
14560199
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
近森 秀高 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (40217229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 明博 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (80093285)
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Keywords | 洪水予測 / 降雨予測 / カオス / 非線形時系列 |
Research Abstract |
岡山県吉井側上流部の黒木ダム流域を対象に,SOLO法(Self-Organizing feature map with Linear Output Mapping)を用いて,黒木ダム流域におけるダム流入量の実時間予測を行った。SOLO法はニューラルネットワーク型のアルゴリズムであるが,一般的なニューラルネットに比べ短時間でモデルが同定できる利点がある。昨年度までに行った検討では,対象水文データをパラメータの同定期間と検証期間とに分けた場合,同定期間に比べ検証期間の予測精度が大幅に劣る問題が見られたが,対象とする水文データに主成分分析を適用し,主成分得点を成分とした特徴ベクトルを用いて予測を行うと,特に,検証期間における予測精度が大幅に改善されることが明らかになった。同様に,主成分得点を成分とする特徴ベクトルを用いて局所線形近似法による洪水実時間予測を行うと,SOLO法の場合と同様に予測精度の改善が見られた。 また,岡山地方気象台における雨量予測を。岡山周辺の123か所のAMeDAS雨量観測点における時間雨量データを基に,局所線形近似法を用いて行った。その結果,観測雨量データをそのまま用いた場合は,突発的に過大な降雨が予測される等の問題点が見られ,あまりよい予測精度が得られなかった。観測雨量データを対象に主成分分析を行い,得られた主成分得点を対象に局所線形近似法を適用し雨量予測を行ったところ,観測データをそのまま用いた場合に比べ予測精度に若干の改善が見られたが,実用的にはまだまだ解決すべき問題点が多いことが分かった。
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Research Products
(1 results)