2002 Fiscal Year Annual Research Report
化学肥料による赤土微細粒子の流出防止対策に関する研究
Project/Area Number |
14560203
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
吉永 安俊 琉球大学, 農学部, 教授 (80045129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 一人 琉球大学, 農学部, 助教授 (10253949)
渡嘉敷 義浩 琉球大学, 農学部, 教授 (70045128)
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Keywords | 赤土流出 / 化学肥料 / 分散作用 / 沈降抑制作用 / 微細土粒子 / 浮遊土砂 / リンの特異吸着 / コロイド |
Research Abstract |
化学肥料には,土壌を分散させ,微細土粒子の沈降を抑制する作用があることを明らかにした.化学肥料の分散作用は土壌を微細粒子化させるため農地からの濁水の流出現象を加速させる.また,沈降抑制作用は沈砂池における濁水の沈降堆積現象を著しく低下させる.その結果,農地及び沈砂池からの微細土粒子の流出を促し海域汚染の原因をもたらしている. 化学肥料の分散作用は,化学肥料の添加水及び無添加水中におけるフルイにより耐水性団粒を測定して明らかにした.その結果,化学肥料の分散作用は0.25mm以下の微細団粒に対し特に作用することが明らかになった. 化学肥料の添加,無添加濁水の沈降現象の違いは明らかで目視によっても確認できる.任意経過時間における両濁水の同一水深の浮遊土砂量は化学肥料添加試料が有意をもって多く沈降抑制作用が明確である.また,分散及び沈降抑制作用は肥料濃度によっても異なる. たとえば,国頭マージ濁水に化学肥料を添加した場合,少量の添加ではコロイドは分散し,ある程度増加すると凝集することが認められた.その原因を次のように考えた.少量の化学肥料が加えられた時,リン酸の特異吸着によりプラスの変異荷電がマイナスになる.その結果,全体のマイナス荷電が増加し,コロイドは分散する.さらに化学肥料を加えるとリン酸の特異吸着は飽和になりマイナス荷電は増えなくなる.化学肥料のプラスイオンが増加することにより次第にマイナス荷電と電気的に中和することとなる.この状態になると凝集が進むと考えられる.今後の課題は、各土壌の粘土鉱物組成からリン酸特異吸着について定量的に評価することである。 現地土壌について,自然土(pH4.5前後)と既畑土壌(pH8〜4)に化学肥料を添加し,土壌1:水溶液50で30分間往復振とうした結果,土壌に腐植含量が高く,バーミュキュライト-クロライト中間種鉱物が随伴すると分散しやすく,特にリン安施用は分散に及ぼす影響が強いことが明らかになった.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 坂野美里, 吉永安俊, 酒井一人: "微細土粒子の粒径と沈降速度に関する研究"平成14年度農業土木学会大会講演会講演要旨集. 774-775 (2002)
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[Publications] 吉永安俊, 酒井一人, 坂野美里: "化学肥料が微細土粒子の沈降に及ぼす影響について"日本雨水資源化システム学会大会第10回研究発表会講演要旨集. 82-83 (2002)