2002 Fiscal Year Annual Research Report
植物生長点の温度予測モデルを用いた環境制御法の開発
Project/Area Number |
14560208
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
清水 浩 茨城大学, 農学部, 助教授 (50206207)
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Keywords | 生長点温度 / モデル / ニューラルネットワーク / 環境調節 / 鉢花 |
Research Abstract |
研究初年度の14年度は、茨城大学農学部附属農場の花卉用温室において6種の花卉(ビオラ、パンジー、ペチュニア、ビンカ、マリーゴールド、サルビア)を用いて環境要因(乾球温度,温球温度,短波長放射量,長波長放射量)が生長点温度に与える影響に関しての基礎データを取得し、ニューラルネットワークによるモデリングの可能性を検討した。 実験は平成14年5月から11月の期間(5月10日〜6月10日:ペチュニア・マリーゴールド、6月10日〜7月23日:ビンカ・サルビア、10月10日〜11月13日:ビオラ・パンジー)に実施し、上記の4つの環境条件と各鉢花の生長点温度10点を10秒毎に測定し10分間の平均値をコンピュータに保存した。 次に4つの環境要因(乾球温度,温球温度,短波長放射量,長波長放射量)、出力層に生長点温度、中間層1層のニューラルネットワークモデルを構築し、これらのデータからシミュレーション空間の境界となるデータを抽出してこれらを教師データとしてモデルの学習を行なった。残るデータを用いてモデルの検証を行なったところ、いずれの花卉のモデルにおいても生長点の実測値とモデルの出力との散布図の決定係数が0.97以上となり、鉢花の生長点温度予測モデルはニューラルネットワークによって可能であることが明らかとなった。 さらにこのモデルを用いて環境条件の個々の要因が生長点温度に与える影響についてシミュレーションを行なった。その結果、短波長放射量、長波長放射量、温球温度による影響はほとんど認められず、乾球温度と風速による影響がもっとも大きく、これらの組み合わせによって生長点温度をコントロールすることが効果的であることが明らかとなった。
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