2004 Fiscal Year Annual Research Report
植物生長点の温度予測モデルを用いた環境制御法の開発
Project/Area Number |
14560208
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
清水 浩 茨城大学, 農学部, 助教授 (50206207)
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Keywords | 生長点温度 / モデル / ニューラルネットワーク / 環境調節 / 鉢花 |
Research Abstract |
平成16年度は、15年度に構築したニューラルネットワークモデルを応用して、環境要因およびその組合せが茎頂部温度に与える影響を調べた。仮想的な環境条件のもとで構築したニューラルネットワークモデルを用いて茎頂部温度を予測し、それらの値を多元配置の分散分析によって解析した。そこで、茎頂部温度の調節が必要になると考えられる午前10時から午後2時の4時間について温室内で環境要因を実測し、これらを平均して標準データとした。具体的には、短波長放射量:200W m-2、乾球温度:27℃、天井ガラス温度:30℃、飽差:0.9kPaとなった。このような標準状態において、乾球温度が5℃上昇した場合を想定してみる。実測データを調べたところ、天井ガラス温度および飽差は乾球温度と密接な関係があることが判明しており、乾球温度5℃の変化に対応して、天井ガラス温度は約5℃、飽差は約0.5kPa変化することが予想される。また、乾球温度の5℃の変化は、全実験期間で得られた温度幅の約15%に相当することから、短波長放射量についても同様に得られた範囲の15%に相当する約60W m-2を変化の幅とした。したがって、乾球温:27,32、天井ガラス温度:30,35、飽差:0.9,1.4、短波長放射量:200,260の組合せについて多元配置の分散分析を行なった。その結果、茎頂部温度に最も影響を与えるのは乾球温度であり寄与率は88%ととても高く、本研究の栽培環境では茎頂部温度は主として乾球温度によって決定されていると言えるが、乾球温度と一致するわけではない。次に寄与率が高いのは天井ガラス温度であるが、乾球温度に比べると相対的にはとても小さい値となっており、飽差や短波長放射量はさらに影響が少ないという結果を得た。
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