2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560210
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 正肚 新潟大学, 農学部, 教授 (70293206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 和弘 新潟大学, 農学部, 教授 (70188994)
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Keywords | 目的外飛散 / 防除機 / 農薬 / ドリフト / 環境負荷 / ミストエリミネータ / 回収体 |
Research Abstract |
病害虫防除の散布方法は剤形によって異なるが,一般的には希釈した液剤をノズルによって噴霧する。実作業では,防除効果をあげるため,農薬が作物からしたたり落ちるほど散布する。このため大気や土壌に飛散する,いわゆる目的外飛散(ドリフト)の発生は避けられない。一方,「環境に負荷を与えない農業」の気運が高まり,すでに多くの取り組みがなされて,減農薬・減化学肥料栽培などが実践されている。この場合であってもノズルから散布する目的外飛散は発生する。 研究目的は,液剤散布における目的外飛散を低減することである。目的外飛散は「大気」と「圃場面」への飛散に分けられるが,本研究では,飛散がより多い「圃場面への落下を低減する」ことにした。なお,噴霧装置はブームスプレヤーである。本機の製作の前に,圃場における散布,目的外飛散の現状,目的外飛散の評価法の検討を行った。次いで,噴霧粒子の運動を把握するために,ノズルから噴霧後の広がりの運動解析を行った。ここで解析するのは,複雑な形状をもった空間の内部ではなく,ある空間の中に噴霧を生じさせたとき,その空間に噴霧がどのように広がっていき、気体に流れ場が発生するかを調べたものである。そのため,設定する空間は複雑ではなく単なる長方形でよいとした。つまり,予め用意しておいた計算領域上で,噴霧がどのように広がっていくかを解析した。研究はこの解析の数値計算と分析に終わり,噴霧中に回収体を置いた場合については解析できなかった。 次いでミストエリミネータの知見に基づいた湾曲ブレードからなる回収体を設計製作し,室内において回収効果を調べ,高い回収率を得た。
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