2002 Fiscal Year Annual Research Report
人間工学に基づいた人にやさしい農業機械・機具の設計解析に関する基礎研究
Project/Area Number |
14560212
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
御手洗 正文 宮崎大学, 農学部, 教授 (60094083)
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Keywords | 安全性 / 快適性 / ペダル配置 / 設計要素 / 操作姿勢 / 踏力 / ペダルパッド傾斜角 / RPE |
Research Abstract |
機械・器具を設計開発する際には、人体と機械との適合性を高めることが求められており、安全性や快適性の確保のために、、設計の初期段階から人間工学的な検討を行う必要がある。農業機械分野においても農業従事者の高齢化や婦女子化を背景に、人間工学に基づいた機械・機具の設計開発が重要性を増してきている。本研究で取り上げた乗用トラクタは、耕耘や運搬などの幅広い作業に使用され、農業従事者と密接な関係を持っていることから、快適な作業環境を追求した設計要素の解明が特に急がれている。そこで今回は、乗用トラクタの座席とペダル配置に着目し、これらの設計要素の解明をペダル操作時の踏力の測定結果から明らかにしようとした。また、踏力測定中の被験者のペダル操作姿勢を解析し、この姿勢解析結果から最適な運転姿勢を探求した。 ペダル操作の踏力測定試験を行うにあたり、身長の異なる男性9名を被験者に選出し、それぞれ160cmグループ、170cmグループ、180cmグループに分けた。実験装置はトラクタ操縦席周りを模擬した運転モデル装置を試作し、被験者の最大ペダル踏力(ペダル軸の上下方向、左右方向、ペダル軸方向の3分力)を解析した。また、試験直後にRPE調査を行い、踏力値の測定結果との検証を行った。また、ペダル操作姿勢の解析として、腰角、膝角、足首角とペダル踏力との関係を調査した。 ペダル踏力を計測・解析した結果、最も操作性の良いペダル配置は、足の開脚角がブレーキペダルで15°、クラッチペダルで10°であった。また、座席背面からペダルまでの最適距離は身長により差が見られ、600mm(身長160cm)、700mm(170cm)、800mm(180cm)となった。 なお、他の要素では座席の高さ:410mm、ペダルパッド傾斜角:40°〜60°(ブレーキペダル)、40°〜50°(クラッチペダル)の配置条件が最もペダル操作性の良いことが明らかになった。 RPE調査とペダル踏力の関係を検証した結果、操作性の良いペダル配置は両者ともにほぼ一致し、ペダル操作姿勢からも操作性の良いペダル配置があることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)