2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560214
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Research Institution | Toyama University of International Studies |
Principal Investigator |
桑原 宣彰 富山国際大学, 地域学部, 教授 (80249101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
才田 春夫 富山国際大学, 地域学部, 講師 (80350742)
本多 宗高 富山国際大学, 地域学部, 教授 (10229263)
尾畑 納子 富山国際大学, 地域学部, 教授 (60201406)
岡本 嗣男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40031215)
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Keywords | 鶏羽毛 / ケラチン / 抽出 / 酵素 / 還元処理 / フィルム / 繊維 / 界面活性 |
Research Abstract |
大量に排出される鶏羽毛からケラチンたんぱく質を抽出し、フィルムや繊維として利用することを目的に、本研究はその抽出法の検討、及びフィルム・繊維化とその実用化への可能性を探るものである。その中で、今期は抽出法の調査及び検討、そして一部、フィルム化を行った。 (1)バイオ処理法による抽出 ケラチン利用のための酵素利用について調査した。各所で羊毛等で検討がなされており、例えば、羽毛をタンパク質分解酵素で分解して分子量300〜5,000ダルトンの低分子量にし水に可溶化して利用する研究、また、新規のケラチン分解酵素を真菌や細菌などから取出し、廃羽毛再利用に新たな可能性を拓いた研究、さらには、細菌から分離したプロテアーゼやクチクル分解酵素を繊維改質加工に用いた例などがある。何れの方法にしても、現在報告されている酵素による羽毛処理は、ケラチン蛋白を低分子化或いはアミノ酸にまで分解してしまい、分子量の大きいケラチン蛋白の抽出は困難である。そこで、低分子の蛋白どうしをペプチド結合させるトランスグルタミナーゼなどを組み合わせることによって、新たな羽毛再利用の道を拓くことが出来るのではないかと考え、その検討を次年度に予定にしている。 (2)化学的処理法法による抽出-(1)アルカリ処理法 水酸化ナトリウム溶液によりケラチンたんぱくを抽出し得られた水溶液を中和、透析して精製した。その液をポリプロピレン板上に流してフィルムを作製した。そのフィルムは各種の試験に耐えられるほどの強度がなかった。なお、その液は発泡作用が大きく界面活性剤としての作用が期待されるものであった。 (3)化学的処理法法による抽出-(2)還元処理法 大量の尿素にメタ亜硫酸ナトリウムとドデシル硫酸ナトリウムを加えた水溶液で抽出を行った。透析を行った後、凝縮させた液をポリプロピレン板上に流してフィルムを作製した。得られたフィルムは(2)のものよりは強度が高かった。しかし性質は硬くて脆く実用に供するには可塑剤等を加える必要がある。これらについて次年度も継続して検討する予定である。
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