2003 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガス固定型バイオガス変換システムにおけるプロセス特性の解析
Project/Area Number |
14560216
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
北村 豊 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (20246672)
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Keywords | バイオガス変換 / メタン発酵 / 汚泥返送 |
Research Abstract |
水素と二酸化炭素の混合ガスを基質とするメタン発酵の定常運転を確立するとともに、その上澄液(以下、浸出液)の酸生成RDFSへの影響を中温・HRT20日の発酵条件下で評価した。基質ガス供給速度100mL/minの定常状態で培養されたメタン発酵汚泥のpHは中性域に保たれた。また豆腐おからを基質とするカスケード法と固形物返送法の2つの方式による酸生成プロセスにメタン発酵上澄み液を投入した。その結果、見かけの加水分解速度定数は、pH4.6〜5.1のカスケード法において過去に得た9.0×10^<-3>d^<-1>よりも高い15.8×10^<-3>d^<-1>であり、pH5.0〜6.4の固形物返送法においては、既報値5.0×10^<-3>d^<-1>よりもかなり大きい14.4×10^<-3>d^<-1>であった。みかけの有機物分解率、総有機酸、電離有機酸率は、それぞれカスケード法で21.1%、14.5g/L、30.8から68.5%への増加であり、固形物返送法では19.4%、14.9g/L、30.8から63.4%への増加であった。しかし総有機酸に占める酢酸の比率はカスケード法で94.3から72.6%に、固形物返送法で93.3から42%へと減少し、プロピオン酸や酪酸の両酸生成法に占める比率は増加した。有機固形物の粒径分布によれば、粉砕ボールとメタン発酵上澄み液の酸生成への添加は可溶性固形物の生成を促したが、上澄み液添加の無い発酵槽においては大きな粒子の機械的な粉砕が生じただけだった。
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