2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14560217
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森本 哲夫 愛媛大学, 農学部, 教授 (50127916)
|
Keywords | 貯蔵プロセス / 果実 / 高品質化 / 鮮度維持 / 高温ストレス / システム同定 / 知能的制御 / 最適化 |
Research Abstract |
本研究は、筆者が開発した新しい知能的制御法を活用して、果実の鮮度維持(水損失や呼吸を最小にする)、そして高品質化(糖度を上げる、適度な硬さにする)ための最良の温度操作パターン(熱ストレスと低温の最適な組合せ)をシステム科学的に究明し、その技術の実用化をはかることである。最終年度は以下のような結果を得た。 1.果実の内部品質を簡易かつ非破壊で計測する新しい方法として、カオスの概念を導入して、従来より行われている果実の打撃による果実の振動特性から、また新しい方法として、果実が選果過程でトレイを転がるときのトレイの振動特性を解析することにより、果実の硬さ(追熟度合い)を推定する方法を開発研究した。この方法は、1次元の振動の時系列データを2次元のアトラクターに移し替えることで、その形(アトラクターの傾き)から、果実の硬度を推定する。 2.今までに得られた熱ストレスによる最良の温度操作は、収穫後直ちに、すなわち果実が新鮮な段階で、40℃の熱ストレスを約1日与え、その後は通常の貯蔵温度(低温)に下げるパターンであり、これ(適切な熱ストレス負荷による効果)により果実の水分損失や呼吸量が明らかに減少し、鮮度維持に有効であった。この温度操作をトマト(果菜類)から温州ミカンや伊予柑などの柑橘類に拡大した。熱ストレスの効果はトマトより、柑橘類の方が大きかった。 3.以上の結果より、本最適制御システムの有効性が確かめられ、実用化の見通しを得た。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Morimoto, T.: "Dynamic optimizations of cultivation and fruit-storage processes using a speaking plant-based intelligent control technique."Environment Control in Biology. 41巻3号. 193-210 (2003)
-
[Publications] Morimoto, T., Hashimoto, Y.: "A decision and control system mimicking a skilled grower's thinking process for dynamic optimization of the storage environment."Environment Control in Biology. 41巻3号. 221-234 (2003)
-
[Publications] Morimoto, T., Tu, K., Hatou, K., Hashimoto, Y.: "Dynamic optimization using neural networks and genetic algorithms for tomato cool storage to minimize water loss."Transactions of the ASAE. 46巻4号. 1151-1159 (2003)
-
[Publications] 森本哲夫, J.De Baerdemaeker, 羽藤堅治: "カオスの概念を導入した果実の品質評価(第1報)果実の打音のアトラクターによる硬さの評価"植物工場学会誌. 15巻4号. 224-230 (2003)