2002 Fiscal Year Annual Research Report
REA法によるメタンフラックス長期連続測定装置の開発
Project/Area Number |
14560218
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
鱧谷 憲 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (30264815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
文字 信貴 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20111982)
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Keywords | 地球温暖化 / 温室効果ガス / 森林 / メタンフラックス / REA法 / 長期観測 |
Research Abstract |
地球温暖化の原因の一つとして、CO_2など温室効果ガスの増加が原因の一つとして挙げられるが、そのため、森林が吸収(放出)する温室効果ガス量の評価が求められている。森林などの植物群落と大気間のCO_2などの微量気体交換量(フラックス)を測定する方法としては渦相関法が挙げられる。しかし、この測定法は目的とする気体を高速で測定するガス分析計が必要であり、CO_2以外の大気微量気体では高速応答の分析計がないので実現困難である。REA法は渦相関法に準ずる測定法であり、通常のガス分析計が使用可能である。本研究では現在低濃度で、将来濃度上昇が予想され、温室効果の影響もCO_2の十数倍の寄与があるメタンガスに注目し、そのフラックスの長期連続測定装置を開発し森林での長期観測を行なうものである。 14年度の研究ではREA法による測定装置の製作を行った。購入したメタンガスの分析計の精度は安定した状態では4ppb位であり、風速の標準偏差が1ms^<-1>としたときのメタンフラックスの測定精度はおよそ1.5μgm^<-2>s^<-1>となり、森林メタンフラックスの測定の精度を満足していることがわかった。 この装置は購入したガス分析計と研究室で開発したサンプリング装置、演算装置、記録装置で構成されている。サンプリング装置は4高度のメタンの鉛直プロファイルを測定する部分と1高度のメタンフラックスを測定する装置に分かれる。メタンフラックスのサンプリングには風が上向きのときと下向きのとき別々に試料空気がサンプリングされ、バッグに集められそれぞれの空気は分析計により濃度が測定される。平成14年度3月末現在、これら装置のハードウエアーは完成しており、内部に組み込まれた2台のコンピュータのソフトウエアーを最終調整している段階である。平成15年度はこの装置を北海道の苫小牧と滋賀県の国有林内に設置し長期に測定する予定である。
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