2002 Fiscal Year Annual Research Report
耐凍性を決定している遺伝子の人為的発現による脊椎動物の卵子と胚の凍結保存の試み
Project/Area Number |
14560235
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
枝重 圭祐 高知大学, 農学部, 助教授 (30175228)
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Keywords | ブタ卵子 / 凍結保存 / 水チャンネル / アクアポリン / 尿素輸送体 / 耐凍剤透過性 / 水透過性 |
Research Abstract |
(1)尿素輸送体のcDNAのクローニング ラットの腎臓cDNAをテンプレートとして、RT-PCR法により尿素輸送体(UT)1およびUT3のクローニングを行った。そのcRNAを合成し、アフリカツメガエル卵子へインジェクションして48時間培養したところ、尿素の透過性が有意に上昇し、UT1とUT3をアフリカツチガエル卵子で発現させることに成功した。現在、この系を用いてUT1とUT2の水、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、DMSOの透過性について調べている。 (2)水/耐凍剤チャンネルのブタ卵子での発現 すでにクローニング済みのラットアクアポリン(AQP)3、AQP7、AQP9のcRNAを合成し、ブタ卵核胞期卵子へインジェクションし、減数分裂第2分裂中期になるまで48時間培養してタンパク質の発現を試みた。培養24時間まではいずれの卵子も異常が見られなかったが、27時間目から多くの卵子で細胞内顆粒の細胞外への流失が見られ、30時間目にはすべて死滅し、まだ発現に成功していない。現在cRNAの適正なインジェクション量を検討している。 (3)平成15年度予定のゼブラフィッシュ卵子での水/耐凍剤チャンネルの発現の予備実験 ラットAQR3、AQR7、AQR9のcRNAを合成し、ゼブラフィッシュ卵核胞期卵子へインジェクションし、減数分裂第2分裂中期になるまで10時間培養してこれらのタンパク質の発現を試みた。いずれも水透過性が有意に増加していた。よって、この方法で、ゼブラフィッシュ卵子で水/耐凍剤チャンネルを人為的に発現させることが可能であることがわかった。
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