2004 Fiscal Year Annual Research Report
大型肉用ヤギにおける採食量の体液性調節機序に関する研究
Project/Area Number |
14560237
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
砂川 勝徳 琉球大学, 農学部, 教授 (60145547)
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Keywords | 大型肉用ヤギ / 乾草 / 採食量調節 / 体液性調節機序 / 脳内ペプチド |
Research Abstract |
[目的]申請者は大型肉用ヤギにおけるアルファルファヘイキューブの採食量が採食初期の唾液分泌亢進に伴う血漿量の減少に起因して脳内で形成される渇きのレベルによっても定量的に抑制されていることを見出した。本研究では、脳内で生成される渇きの感覚の形成に関与する脳内神経伝達物質の生成及び放出を脳内ペプチドであるソマトスタチンの脳室内注入によって抑制した場合に、採食量の抑制が軽減されるか否かについて検討を行う。[方法]5頭の大型肉用ヤギの一側耳下腺にフィステル及び側脳室へカニューレを装着する。実験区では人工脳脊髄液にソマトスタチンを溶解した溶液(SRIF)、対照区では人工脳脊髄液(CSF)を1日目の午前10時から5日目の午後1時半までの99.5時間、側脳室内に連続注入(CSF:0.2ml/hr, SRIF:4μg/0.2ml/hr)する。注入2日目及び5日目には採食速度と唾液分泌量を各々10分間隔で測定し、採血を経時的に行う。なお、採食中は給水せず、採食終了後に給水を行って渇きのレベルを測定する。[結果]採食速度は採食開始直後に著しく増加した後、減少した。採食速度は採食前半においてCSF注入と比べてSRIF注入が増加する傾向であった。2時間の採食時間の累積採食量はCSF注入に対してSRIF注入が35.6%有意に増加した。渇きの程度はCSF注入とSRIF注入の間に有意差がなかった。唾液分泌速度は採食速度と同様に2時間の採食時間の前半でCSF注入よりSRIF注入が増加する傾向であった。2時間の採食時間の累積唾液分泌量はCSF注入に対してSRIF注入が79.9%有意に増加した。以上の結果から、乾草の採食初期の採食量の減少には脳内ペプチドが関与していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)